『受験必要論』林修著 書評(4)

今回から「いつやるか?今でしょ!」で有名な林修先生が書かれた『受験必要論』の書籍レビューを数回に分けて行います。

本日はPart(4)です。

まだPart(1)、Part(2)、Part(3)をご覧になられていない方は、一度拝読してから今回の記事を読むとより一層と大学受験に対する理解が深まると思います

1記事あたり5分あれば読めてしまいますので、ぜひ↓

『受験必要論』林修著 書評 (1)

『受験必要論』林修著 書評 (2)

『受験必要論』林修著 書評(3)

本書を読んで①気になった項目を幾つかピックアップして紹介するとともに、②それらを踏まえた(派生して色々話ちゃう)miyabiの意見を記していきます。

本書では、林修先生の長年における予備校講師経験をもとに、大学受験がなぜ必要なのか、大学受験は今後どうあるべきなのかが記されています。

私はこの書籍を自分の受験前に拝読したかったと非常に後悔していますが、これから受験する方々や、現在の大学受験制度に疑問を抱いている教育関係者の方々にはぜひ一度拝読して頂きたいです。

林先生の並ならぬ経験値をもとにした書籍ですので、書かれている一言一言に私は心を打たれました。

では見ていきましょう!

Contents
1.東大は学内での差が大きい
2.トップグループは横綱相撲が取れる

 

1.東大は学内での差が大きい

林先生はこう云います。

 実は、東大に入れるかどうかの差ではなくて、東大の中での差が大きいんです。大学内格差と言ったらちょっと嫌な言い方になりますが、そういうものが一番大きいのが東大なんです。これは間違いない。
なぜかと言えば、今のように偏差値で輪切りにされている状況においては、ある大学においてずば抜けて優秀であれば、それより上の大学に進学していた可能性が高い。つまり、その大学に在学しているのは、偏差値で輪切りにした、ある範囲に限られる可能性が非常に高いんです。そう考えると、偏差値的に一番上に位置している東大だけは、上がどこまで突き抜けているかわからないということになりますよね。

引用元:林修(2013年)『受験必要論』集英社(p.118)

〜miyabiの意見〜

確かにその通りと言えますね。早稲田や慶應、京大を受験する際にトップで合格するような人材は大体、東大を第一志望にしているものです。

だからこそ、東大には上のフタが無く、ギリギリラインで合格した学生とトップ層の開きが広大なのです。

しかし!私miyabiは敢えてここで問題提起をします。

まず1つ目は「単純に順位だけ見ると、アイビーリーグ、ないしは北京大学等のアジア系一流大学の方が上では?」という疑問です。

最近ではミネルバ大学という次世代最先端型の超効率的学習法を採用する大学が有名になってきましたが、やはり今言ったように、(数値的には)東大が一番トップとは思えません。海外からすれば、そもそも偏差値という一律的な評価水準がないので、東大と比べようもありません。

確かに国内で評価すれば東大がトップではありますし、かの有名な『Times Higher Education』が世界大学ランキングを公表している中で常に上位にランクインしているのは自明です。

しかし、対外的に世界規模で見ると、日本の1大学に過ぎません。現代はグローバリゼーションの時代であり、英語圏で活躍する人材の方が重宝されることは確実です。そして、教育環境的にみても、イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学、MITやアイビーリーグ(ブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ダートマス大学、ハーバード大学、プリンストン大学、ペンシルバニア大学、イェール大学)の方が圧倒的に優秀でしょう。

しかも、今年に至っては、(必ずしもこの評価基準が正しいとは言いませんが)Times Higher Education 2020年世界大学ランキング日本版の1位は東北大、2位が京都大で、3位が東大です。

さらに、Part.(2)の記事で林先生が主張していた「飛び級」が日本にはありません。

『受験必要論』林修著 書評 (2)

そんな飛び級的環境が存在するアメリカの例を紹介しましょう。

あなたは15歳の頃から大学で研究しているジャック・アンドレイカ君という人物を知っていますか?
スーパー少年と呼ばれる彼の経歴は以下の通りです。

引用元:Wikipedia:ジャック・アンドレイカ

彼は13歳の頃、親しい人を膵臓癌で亡くしました。

その後、インターネットで膵臓癌について調べ、その検査に800ドルの費用が必要、加えて、30%以上の見落としがあることを知りました。

すい臓がんを検出するためには、血中に内包される微量のタンパク質の発生量を調べる必要があるので、検査が困難な状況に陥っていたのです。

しかし、彼は膵臓癌を罹患すると検出される8000種中から、膵臓癌患者特有の種を探し出したのです。
そして、研究継続のため、彼は200名の教授に手紙を伝達しました。そのうち199名の教授はその伝達は却下しました。

しかし、たった1通、返事が帰ってきたジョン・ホプキンス大学で研究環境を得て、その中でテスト方法を開発したのです。

彼が開発した方法によれば、1個の小さい検査紙で費用は3セント(約3円)、約5分でテストが可能です。
従来の方法と比較すれば、168倍速く、26,000分の1以下の費用、400倍の精度で検査できるのです。

今ではこの検査方法は、他のがんやHIVなどにも転用可能なことで知られています。

その後、様々な機関から賞を受賞し、今も研究に励んでいるそうです。

どうでしょうか?この話が日本で起きるとは到底思えません。今でこそ東京大学並びに京都大学も推薦入試を採用していますが、それにはそもそもの年齢制限があります。

18歳にならなければ大学に行けず、大学の研究が行えない。これは、本当にもったいないことなんです。そして、それが要因で結局は優秀な人材が日本から海外に流出してしまっているのです。

だからこそ、偏差値の高さでガラパゴス的に我が存在を誇るのでは無く、人材育成及び日本再興のためにも、優秀な若手をどんどん早々と推薦する環境が必要になってくるでしょう。それが日本における大学の対外的プレゼンスを向上させることに結実していくのです。

2.トップグループは横綱相撲が取れる

林先生は「東大には受験勉強のトップグループが集まります。では、本当のトップグループの凄さは、どのようなことに現れるものでしょうか?」という質問に対して、こう云います。

横綱相撲が取れることですね。受験勉強の際に奇策を弄することもなく、かといって「こういうやり方しかない!」といったこだわりもなくて、柔軟な対応ができる。だから、こちらの方法がよいなと思ったら、さっさと切り替えることができるんです。そして、他人のやり方も否定しない。そういうやり方もあるよね、という感じです。
引用元:林修(2013年)『受験必要論』集英社(p.132)

さらに林先生は、後に「優秀な人間ほどこだわりが少ない」と語られています。

〜miyabiの意見〜

ごもっともですね。私が大学受験の勉強をしていた頃には「音読が絶対だ!」や「この方法で現代文を読め!」と口うるさく言い聞かせてくるタイプの先生がいましたが、完全に無視していました。

なぜなら、その方法が私に合うとは思えなかったからです(まぁ実際、音読はマッチしていたので毎日やってました。というか今もやってます)。

テレビやYouTubeで紹介されている勉強方法、あるいは学校の先生に教えてもらった勉強方法などは、世の中に無数にある方法論のたった1つに過ぎません。
それを盲信して「結果が出ない!」と言い続けても仕方がないのです。

それなら、合わないものはさっさと切り捨てて次に行けばいい。そもそも、万人に共通する効果的な勉強法なんてほとんど存在しないのですから。

例えばで言いますと、私はiPhoneやKindleでの読書があまり好きではありません。
紙の本で読んだ方が頭に入るのです。理由は、紙の本は瞬時に横にメモ書きしたり、本の全体像を直感的に把握しやすいと感じるからです。

しかし昨今の世間はIT化がトレンドですよね?つまり、iPhoneで読め、Kindleを使え、と。そういう多数派の世論だけを鵜呑みにするのは、政治の世界でも同様ですが、結果「何も考えていない」のと同じです。

そんな人間が良い行動や勉強ができるとは心底思えませんし、他の人ややり方に便乗していける着地点には限界があるでしょう。(私は受けず、過去問だけ見ましたが)東京大学や京都大学の入試問題などは私立文系の知識詰め込み型とは程遠く、自分で考えられる頭を要求しています。

有名人でもそうです。例えばキングコングの西野亮廣さんは、毎年、順調に行っている仕事を1つ辞めているそうです。それは向上心でありステップアップのためだと思いますが、やはり活躍している人で、何かに固執している人は少ないと言えます。オリエンタルラジオの中田敦彦さんもそうです。彼は芸人主体から音楽主体へ、そして今はYouTube主体の活動を行われています。

今はまさに、変化の激しい時代なので、「変わる力」がより求められていると言っても過言ではないでしょう。

今回(2020年4月現在)のコロナショックによる経済打撃や経営不振も、手持ち手数の多かった人、すなわち変化にすぐ対応できるよう数々の仕事を同時並行していた人は強かったように思えます。

受験勉強とこれからの時代は同じで、どれだけ変わり続けられるか、がキーポイントです。「現状維持は衰退」と考えて良いでしょう。

今ではYouTubeや音声メディアVoicy、Facebookやネットサーフィン、それこそKindleなど、変われる素材(学べる材料)は豊富なのですから、やらなければやっている人に永遠と距離を引き伸ばされて、後には取り返しのつかない差になっていることもあります。

林先生が仰る通り、受験勉強にも、変わり続けて自分に合った方法を模索することが大切ですし、私miyabiの視点でも、現代の目まぐるしく変容する社会を生き抜くには「積極的変容」が欠かせないと考えています。

今日から1つ1つ、身近なことから変えていきましょう!


 

今回のPart(4)はいかがでしたか?

少しでも皆さんの学びに貢献できれば嬉しいです!

では次回のPart(5)もお楽しみに!

さらば!

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miyabi_kyosaka
教育実践キュレーター。慶應義塾大学在学中。NPO法人日本教育再興連盟ROJE所属。読売新聞学生記者。日本若者協議会所属。某 AO入試専門塾講師。N高等学校出身。|「未来は予測するのものではなく、この手で創る」をモットーに圧倒的行動で教育を一新しようと、教育ジャーナリズムの活動をしております。