今週の教育キュレーション 5/11~17/2020

 『今週のキュレーション(毎週月曜)』では、連日執筆している『今日のキュレーション』を基に、今週話題になった教育ニュースを10個キュレーションし、エクストリームに紹介していきます!

①「9月入学」拙速な導入反対 日本教育学会が声明(picked on 5/12)

声明は「9月入学に議論を集中させることで、今対応すべき重要な諸問題を見過ごすことを危惧する」と指摘。休校している子どもや保護者、教職員の不安に応えるための対策を「大至急検討すべきだ」と訴えた。(抜粋)

Miyabi’s Comment:この問題は長期的な視野と深い議論が必要で、今年中の9月入学は方々からの批判含めほぼ不可能になるでしょう。しかしながら、私も更に重層的な教育学的視座を獲得せねば。

②英語民間試験「導入見送り」も、入試に活用する大学は増えている(picked on 5/12)

英語民間試験「導入見送り」も、入試に活用する大学は増えている〈dot.〉(AERA dot.) - Yahoo!ニュース
文部科学省が大学入学共通テストへの英語民間試験導入見送りを発表したが、この「見送り」は、「民間試験を入試に使わない」ということを意味しない。私立大学を中心に、民間試験を入試に活用する大学は増えている - Yahoo!ニュース(AERA dot.)
Yahoo!ニュース

文部科学省が大学入学共通テストへの英語民間試験導入見送りを発表したが、この「見送り」は、「民間試験を入試に使わない」ということを意味しない。私立大学を中心に、民間試験を入試に活用する大学は増えている。(抜粋)

Miyabi’s Comment:この件に関しては、多角的に分析する必要があります。デメリットとしては、民間試験は基本的に「経済格差を黙認する」という方式である事や、TOEFL iBT・TOEIC、IELTSのどれを利用するかで英語力の判断基準が異なる事です。メリットしては「大学側の負担の軽減」「より4技能に特化出来る」「評価者がネイティブである」などが挙げられます。小学校英語必修化が公表されて久しいですが、英語はそもそも何のために学ぶのかという本質的な議論をまず行うべきだと思います。以下記載の記事に少しだけ書きました。

③「この10年で東京圏占有率が上がった大学」ランク 定員厳格化で敬遠される東京圏 「緊急事態宣言」で来年度入試にも影響か(picked o 5/10)

塾講師は「地方創生の目的で16年から始まった、入学者数を絞る定員厳格化で、合格者数を減らす大学が増え、東京圏の大学の難化が進んでいるので敬遠されているのでしょう。もちろん経済的な問題もあります。それに来年からの大学入試改革の影響もあって、安全志向が進んでいますから、地元の大学にという流れが強まっているのでしょう」という。(抜粋)

Miyabi’s Comment:今年の入試で間違いなく言えるのは「確首都圏や、人口密度の高い府県の大学受験者数は確実に激減する」という事。この予測に関しては、Covid-19が主要因ですが、それに伴う「経済衰退・給与減額」も大きいんです。そもそも入試会場に行く交通費や宿泊料、偏差値の高い大学を目指す為に必要な教材の購入費はバカにならないですから。とりあえず今年度入試の統計結果を見るまでは何も確定的なことは言えませんが。

④オンライン授業は現状では無理…悩む学校、教育格差に不安の声(picked on 5/12)

小学生の長女らも含めて「将来、学力の低い“コロナ世代”などとやゆされるのでは」とも心配している。(抜粋)
公立学校の教育現場に詳しい溝上慎一・桐蔭学園理事長(教育学)は「遠隔授業を行える環境があるかどうかの格差は、議論しても仕方がない。各学校ができることをやれているかを考えるべきだ」と話す。(抜粋)

Miyabi’s Comment:”ゆとり世代”ならぬ、Cover-19で拡大する教育格差を象徴する文言です。この記事で指摘されている「算数は教科書だけで理解させるのは難しい」ことも重要ファクターです。並びに、溝上先生の言葉も極めて重要で、個人間格差より、学年・学校全体で地域間格差を生む方が危険性が高いので、取り敢えず自治体や教育委員会、各学校でデジタル化・オンライン化に向けて出来る事を今すぐ始めよう。ちなみに私は溝上先生にインタビューした事があるのでその記事も是非↓

⑤NHK学園高等学校がNHK高校講座を使った自宅学習支援を開始!(picke on 5/12)

<応募についての詳細>
応募条件:高校生であること
応募方法:応募用サイト(https://www.n-gaku.jp/public/sch/support/)で詳細を確認後、申込み。
応募締切:2020年6月15日(月)
対象科目:英語と数学から各1科目を選んでリポート課題の提出・添削を受けられます。※英語と数学いずれかのみの受講も可能です。
注意事項:受講には、NHK高校講座を視聴することが条件です。
(抜粋)

Miyabi’s Comment:「高校生対象・英語数学しかない」という点は今の所不利ですが、NHKなのでこれから催してくれるであろう試みが楽しみで仕方がないです。実際、オンライン学習サービスの『スタディサプリ』も初期は英語しか授業がなかったのですから。NHKという公的補償、公的信頼性の高い期間が配信するサービスが現代の高校生の心をどう揺さぶるのか、見ものです!添削がをしてくれるというのは、非同期通信の上に、コロナの災禍で外に出れない状況において、なかなか接点が持てない専門家の人に評価を頂けるという事なので大きなメリットです。

⑥「小学校のオンライン教育」やり方・課題も様々…今、求められること(picked on 5/13)

コロナ禍にあって、端末が足りない、周囲の理解がない、技術が伴わないといった課題も多い。海外や私立でも手探りの状態で、公立小がいきなりオンライン授業を用意するのは、ハードルが高い。実現できても、年間の授業時間として認められなければ、学校再開後に7時間授業・土曜授業を増やし、夏休みの大幅短縮も避けられないという。
まず、子どもたちが学校とのつながりを持つことからと、保護者もアイデアを出し、自主的にオンライン・ホームルームを始めているところもある。その経験がモデルとなり、子どものための選択肢が広がってほしいと思う。(抜粋)

Miyabi’s Comment:この記事は、オンライン授業は地域別でどのような事が行われていて、そこから浮かび上がる課題とは何なのか?を知るには良いですね。PCの配分が上手くいっていない家庭を加味して既に昔から普及しているテレビを活用する例もあり、熊本市では、独自作成のオンライン教育だけでなく、地元の放送局が協力して授業を撮影し、学年別に各チャンネルで放送しているらしい。

⑦休校の長期化で生じる「教育格差」の根本原因(picked on 5/13)

大学入試への不安も高まっています。総合型選抜は9月から出願が始まりますが、1学期の授業が十分できなかったときに調査書の成績記入はどうすればいいのか。部活動をはじめとする諸活動もストップしています。進路指導もできず、就職を考えている高校生も今の状況に不安を抱えていると思います。(抜粋)

Miyabi’s Comment:この「総合型選抜問題」は深刻かもしれません。そもそも授業すらまともに受けられない状況の中、総合型選抜では「自分の意見をしっかり伝えること」が要求されるので、明らかに「自制心」「自律心」「発想力」の強い人が勝利するでしょう。並びに、普段は学校で行っていたディスカッション形式の授業が消失した場合、自分だけで論考する時間が増加するので、思考が「主観的」になりがちです。これは自分も受験勉強の時に経験した事で、毎日部屋の中だけで生活が完結する単調な日々を送っていると、外的なアクションを一切受けないので、無意識の内に自分は正しいと思い込みやすくなるのです。例えば、外を歩けば常に前から歩いてくる他人がいて、毎回人と出会う度に「どうやってよけようかな」と意識が働くのですが、家の中にずっといるとその意識が働きにくくなります。つまり「他者と生活する感覚」を忘却する蓋然性が高くなります。

⑧授業やり残し、学年をまたいで繰り越しへ…小中学校の学習遅れに特例(picked on 5/13)

卒業を控える小学6年生や中学3年生は優先的に分散登校させ、遅れを1年で取戻してもらう。その代わり、入試で不利益を受けないよう配慮を求める。
(抜粋)

Miyabi’s Comment:致し方ない判断でしょう。昨日放映されたNewsPicksの議論番組THE UPDATEに『オンライン教育は日本を救うのか?』という討論があったんですが、その中で感じたのはやはり「折衷型がベスト」という事です。offlineを止めて全面onlineでもなく、onlineをやめて全面offlineでもなく、その中間点を極める事が肝要になります。その代表的効用として「リアルな対面授業やコーチング的なバックアップが必要な生徒だけが分散型登校で学校に通うことで、出来る人は家でバンバン勉強を進められるし、教員も自分だけでは勉強が難しい子だけにリソースを傾斜配分できること」が挙げられます。ただ、その上で考慮しなければならないのは「教員の長時間労働問題」で、この問題が遠因として深く関係してくるので、学校現場では柔軟に調整可能な深い熟慮が必要になるでしょう。

⑨【休校中の宿題問題(2)】学校、教育行政は保護者の不満、不信にもう少し向き合ってほしい(picked on 5/14)

通常の夏休みの3倍近く不登校に近い状態が続くなか、各地の先生たちは、子どもたちの学びを保障しようと、さまざまな努力と工夫をしてくれているが、保護者からは不満や「もう限界」という声も上がっている。(抜粋)

Miyabi’s Comment:基本的に子供は「学びたい!」という意欲が奮闘的に湧いてこないとその本能を発揮しません。そして「宿題やりなさい」と言われてやった宿題の内容はほぼ身に付かず、そんな宿題人生でやった事ないレベルまで忘却します。なので、この自粛期間中に親御さんが切迫した表情で「宿題や勉強は絶対にしなさい!学校に行ってないんだから!」と言い続けてしまう事で子供達の学習意欲が低下しないか心配。

⑩子の幸せを願う親に知ってほしい「教育の本質」(picked on 5/16)

最近の研究では、「最高の先生が最高の授業をしても、聞いている学生が興味をもっていなかったら、単位を取った後は授業内容をほとんど忘れてしまう」という結果が出ているそうです。(抜粋)

Miyabi’s Comment:出口先生はやっぱり神だ。本質的な部分を非常にわかりやすく説明してくださる。5/21発売で、先程Amazonで予約先行で購入した『ここにしかない大学/出口治明著』も猛烈に楽しみである。この記事について言えば、やはりそもそも「学習したい!」という意識がない子供に対して「意識を生み出せ!」と言っても無理なのは至極当然な訳で、あえて干渉せずに放っておく事で、自然と新しい好きな事に出会える蓋然性が高まるのである。

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miyabi_kyosaka
教育実践キュレーター。慶應義塾大学在学中。NPO法人日本教育再興連盟ROJE所属。読売新聞学生記者。日本若者協議会所属。某 AO入試専門塾講師。N高等学校出身。|「未来は予測するのものではなく、この手で創る」をモットーに圧倒的行動で教育を一新しようと、教育ジャーナリズムの活動をしております。