今週の教育キュレーション 5/18〜5/23

①教員不足、大都市で深刻に 9月入学「教育の質低下も」

来秋から9月入学を導入した場合の学校教育や保育への影響についての、苅谷剛彦・英オックスフォード大教授の研究チームの推計では、子どもが集中する大都市圏にもたらされるひずみの大きさが浮き彫りになった。(抜粋)

Comment:今こそテクノロジー利活用をブースト化するべきでしょう。以前Life is Tech!株式会社の讃井康智取締役にインタビュー取材を行った時も仰っていましたが、中央教育機関がテクノロジーの利活用によってどれだけ子供の可能性を拡大出来るかを理解していないと。授業数や教員数の削減を補填する為にはまず「テクノロジー導入の検討」を為すべきだと思います。

 

②尾木直樹氏“教育後進国”日本に「子ども省を創れ」

コロナショックの下では《子どもたちの最善の利益擁護が原則として働かないといけないーと思います 未就学児の課題は、現在でも幼保、子ども園、認可外の個性派も含めて多様ですーー小学校へは現在では1本化されていますが 自由選択制に複線化してもいいのではないでしょうか(抜粋)

Comment:早期教育の段階で「学習個別化」を検討するには極めて熟慮された議論が必要になります。日本の学校教育の良さは「地域全体に一気に普及している事」なので、そのおかげである程度「地元地域に関係なく東大を目指せる状況」が確立されています。しかし、早期教育の段階で個別的な個性偏重型学習を取り入れた場合、小学生期などの子供は家庭環境に大きな影響を受けますから、最初に進学した学校のレベル以上に越境した学びが出来なくなる可能性があります。難しい問題です。

 

③全公立小中校で導入、オンライン授業の舞台裏 熊本市教育長に聞く

「教育長になった3年前、熊本市の学校の情報通信技術(ICT)機器整備状況は全国最低レベルだった。教育委員会は予算要求すらしておらず、整備の遅れも市長まで届いていなかった。市長や議会に必要性を理解してもらい、これまでに小中学生の3人に1台の割合で、タブレット端末を配備した。オンライン授業を始められた理由の一つだ」
(中略)
100人のうち1人に失態があっても、残る99人の使途まで制限する必要はない。先生たちが、子どもの学習支援のために使いたいと思うツールに制限がかかればやる気をなくす。できるだけ自由度を高め、子ども用も最低限のフィルタリングだけにしている」(抜粋)

Comment:やはり柔軟に対応できている学校の共通点は「Covid-19以前からデジタルデバイスの整備や保全を行っていた事」ですね。これはVUCAの時代には必須で、予測不可能な時代とはいえ、出来ることを最大限して変化に積極的に対応出来る様にオペレーションを構築する事が各学校に求められる様になる。

 

④9月入学案、大学関係者から慎重論続出「収入途絶える」

コロナ禍の前、政府内で議論されていた9月入学は入学時期の「7カ月前倒し」だったが、現在は「5カ月後ろ倒し」で来秋から導入する案が浮上している。慶応大の中室牧子教授(教育経済学)は「9月入学ありきで議論されている」と指摘。後ろ倒しで就学年齢が上がると、失われる所得が平均年収の約5分の1になるとする研究データを紹介し、「一刻も早く学校を再開させて、失われた学習期間を取り戻すような継続的な公的支援を行うことが王道ではないか」と話した。
(抜粋)

Comment:この9月入学は是か非か問題に関して「エビデンスが欲しい…エビデンスが欲しい」と望んでいたので、やっぱり中室先生が示してくれましたね。付け焼き的な9月改革論では、周辺(就活・企業・教育関係者)で移行しなければならない事柄が多すぎるので、シンプルに時間的制限を考えると間に合わない気がする。今議論になっておらず国民全員がやるべき!と言っているならやっても良い気はするが(実際はそうなっていない)。

 

⑤ゼロ高は、完全オンラインだから新型コロナウィルスの影響がなかったのか?余白をデザインするということについて

ゼロ高は、生徒のオフラインの活動、アルバイト、ご家庭の影響はありますが、コミュニケーションは基本的にオンラインなので、運営の影響はほとんどはありません。
「オンラインであること」、それ自体が鍵であることは間違いないです。
しかし、それよりも重要なこととして、「教育というものに対しての考え方」と「学習の設計」が、実は本当の鍵なのです。
(中略)
イノベーションは、襟を正して姿勢良く、教科書の通りやって生まれるものではなく、遊びの中の確実性と不確実性のスキマから生まれやすいと私たちは考えています。
(抜粋)

Comment:良記事なので教育関係者の方々はぜひ。未だに「受験勉強で苦痛や苦渋、辛い事に耐え抜くからこそ精神的強さが身に付く」と一方的に語りかけてくる人が、一昔前と比べて格段に減ったとは思うのですが、やはりまだ少数存在します。しかし結果的には「自分の好きな事で全力を出して躓いた時の方が、グリッド(やり抜く能力)は発揮されるし磨かれるでしょ」と言えば終わりです。自己成長の為に何か(受験や探究学習)を手段として活動するのなら、自分に適しているものをを選ばないと、本源的な自己の能力をメタ認知しにくいんです。要は、本気が出せないので、テストで数値化された点数表が自分の能力を表しているとは言えないんですよ。だから、自分の能力を客観的に把握したい場合や、精神的鍛錬を積みたいと考える際は「好きな事」を介して挑戦した方が良い。

 

⑥卒業生の姿に見る「自己肯定感を育む教育」…光塩

光塩女子学院中等科・高等科(東京杉並区)は、自己肯定感を育む教育を重んじている。教員たちは、一人の人間として生徒と向かい合う中で、生徒の中にある可能性や個性を探り、生徒が自分の居場所を見つけて、やりたいことに打ち込むことができるように導くのだという。

亀田先生は「指導ではなく並走、伴走です」と説明する。「面談だけでなく、光塩という学校全体の姿勢が、生徒たちに『自分の居場所はここだ』という安心感を与えています。だからこそ、高校生になって、現在得意なことはこれだけれど、やりたいことはこっち、という一歩が踏み出せますし、チャレンジもできます。成功か失敗か、自分がどう感じるかにかかわらず、応援されているのです」
(抜粋)

Comment:「共同担任制」という独自的な制度があり、その中で生徒個々人の内面的部分に寄り添っていく。この場面ではこの先生に相談して、その場合はあの先生に相談して、という様に先生ごとの役割が明確化されている素晴らしい制度です。3人の卒業生の方々が語る内容は「先生が良かった」というもので、やはり「子を支援する人」の存在の大切さを改めて痛感しました。私も今朝傾聴していた脳科学者の茂木健一郎先生のVoicyにおいて「自己肯定感を育む為には安全基地」が必要という言葉を聞き、以前からご著書で何度も拝見して知ってはいたのですが、やっぱりその通りだなぁと自分の人生を鑑みて感じました。良記事。

 

⑦教育オンライン化はコロナ危機以前からの既定路線「大学編」

教育産業では自宅オンライン学習は、小学校段階から大学入試に至るまで、すでにいろいろ展開されている。東進ハイスクール東進衛星予備校は代表例だ。教育産業が開発した学習アプリは、有料無料問わずいろいろあり利用されている。しかし、日本では正規の教育機関のオンライン化は非常に遅れてきた。
(抜粋)

Comment:オンラインかのメリットとデメリットが双方明白に記述されていて結構面白い記事です。アメリカでは既に100以上の大学群が完全オンラインで学士取得可能になっており、そのトップ数大学も紹介されてます。ランキング第1位は州立オハイオ大学で、2008年度から健康科学と看護科学と歯科衛生学の学士号がオンラインで取得可能です。第2位は、エンブリーリドル航空大学ワールドワイドで、航空学や航空宇宙学や航空経営学や工学や国土安全保障学など16の理学士号が取得可能。イスラエル人実業家のシャイ・レシェフによって2009年に創立された「授業料無料」の完全オンライン大学もあり、この大学は高校卒業資格があれば誰でも入学できます。日本人も在籍中だとのこと。UoPeopleでは、経営学の準学士号(短期大学卒資格)と学士号と修士号が取得できる。コンピューター科学と健康科学の準学士号と学士号と教育学の修士号が取得可能。2012年に設立され2014年に開学したミネルバ大学(Minerva Schools at KGI)も、ほぼオンライン大学。サンフランシスコに本部はあるが特定のキャンパスがなく、全講義はオンラインで配信されます。

 

⑧【解説】教育に「魔法の杖」はない 科学的根拠に基づいて“9月入学”を考える

まず、長期にわたる休校がもたらす負の影響が大きい可能性がある点について言及しておきたい。過去に生じた臨時休校がもたらす影響について分析した論文は複数、発表されている。過去の研究では、天候・教員のストライキ・狙撃事件などによって余儀なくされた「臨時休校」が子供の学力や学歴、将来の賃金などに与えた影響を推定しており、こうした研究の結果は一貫している。「臨時休校」の悪影響は決して小さくないということである。

社会学の研究には、生徒が学校に通わない夏休み期間中に学力格差が拡大することを明らかにした研究は多く[*5]、特に学齢の小さい子供は、遠隔で自律的に学習を行うのは難しい。ここで期待されるのが、オンラインで双方向の遠隔指導を行ったり、e ラーニングなどのデジタル教材を用いることである。しかし、ハード・ソフト両面で公立学校のデジタル化は遅れており、遠隔教育を行う環境が十分に整ったとは言えない。
(抜粋)

Comment:この記事を今すぐ読んでください。私の記事を読む前に。中室先生は本当にエビデンスの鬼で、全ての言説にエビデンスが混ざった素晴らしい見解。取り敢えず、Covid-19の災禍で公表されている「学校教育とCovid-19」的な記事の中で最も読むべき記事の一つ。とにかく読んでください。絶対に。

 

⑨【コロナ時代の教育】学びのイメージを講演 平川教育長

平川教育長は「緊急時の今、できない理由を並び立てるよりも、できるとしたらと質問を変えよう。校長や教育長など長たるものは、多少のリスクを取りながら意思決定すべき。それが緊急時の一手」と強調した。(抜粋)

Comment:教育現場は「三種の神器(クラウド型サービスのアカウント・タブレット、PC等のデバイス・Wi-Fi等通信手段)」の整備を注力的に行いましょう。全員一斉配布が不可能な場合は、個々人の私用デバイスを活用してみましょう。

 

⑩【読者投票】分散登校 どの方法で行っている?

Comment:今確認しましたが、現状投票者は66人なので、教育新聞読者で学校経営・学校教員の方々はぜひ投票してみてください。この結果は非常に興味深い。

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miyabi_kyosaka
教育実践キュレーター。慶應義塾大学在学中。NPO法人日本教育再興連盟ROJE所属。読売新聞学生記者。日本若者協議会所属。某 AO入試専門塾講師。N高等学校出身。|「未来は予測するのものではなく、この手で創る」をモットーに圧倒的行動で教育を一新しようと、教育ジャーナリズムの活動をしております。