今週の教育キュレーション 6/1(月)〜6/7(日)

①米五輪選手と中高生が交流 ネットで理系教育体験

リオデジャネイロ五輪の競泳女子で金メダル4つを獲得したケイティ・レデッキーさん(米国)とパナソニックが31日、新しい理系の学び方「STEM教育」を題材に、日本の中高生とオンラインで交流する会「未来をソウゾウするちから」を開催。インターネットでライブ配信もされた。

Comment:これこそインターネットが創り出した最大の魅力ではないでしょうか。誹謗中傷に罵詈雑言、人々のネガティビティが収斂される場所ではなかったはずです。私もこういう情報をもっともっと伝えていきたい。心から。

②働き方改革で教育が困難な小規模美容室のために、教育型オンラインサロンTICK-TOCK SCHOOLを設立

小規模サロンでは、一人の美容師が一人のアシスタントを教えることがかなりの非効率です。
ところが動画であれば、教える美容師は不要であり、アシスタントはスマホで見れ、おうちでイメージトレーニングができます。また、ひとりで練習ができて技術が習得につながります。
しかし、カリキュラム動画を自社で制作するのはかなり時間と労力がかかるので、ほとんどのサロンが動画を制作していないのです。

Comment:面白いトピック。美容学習も効率化する時代へ。寿司職人の修行は無駄である理論が提唱されて久しいですが、この様に全業界に波及していく事は素晴らしい事だと思いますし、従来的な長時間鍛錬によって無意識的に拾えなかった若い労働力や生産性を活用する事が可能になるでしょう。

③経団連、秋入学を含めた大学のグローバル化を歓迎

日本経済団体連合会(経団連)の採用と大学教育の未来に関する産学協議会は2020年5月29日、新型コロナウイルス感染症の影響で議論が進められている「9月入学」について、秋入学への移行を含め、大学のグローバル化に向けた議論が深まることを歓迎する考えを表明した。

Comment:これは、経経済産業省並びに総務省:文部科学省的な構図におけるゴリゴリのディレンマ問題です。そして、9月入学を推進したところでグローバル化が完全推進されると考えるのは稚拙であり、ニュージーランドなどは2月入学であるけれども多様なバックグラウンドを持った学生がいる。立命館アジア太平洋大学(APU)は半分以上の学生が外国籍で多様性もある。APUに関しては確かに入学時期が多数用意されている事も要諦であるが、本質は「時期をズラしてまで行きたい大学か否か」であって、先行的な時期変更が為す役割はそこまで多大ではないのです。

④「36年間の指導ノウハウ × 生徒特性のビッグデータ」を活用した、新しい教育サービス

https://www.jiji.com/jc/article?k=000000007.000013364&g=prt
www.jiji.com

東海地区で38教室を展開する大手進学塾「名進研ホールディングス株式会社」と、科学的データに基づく教育支援サービス「NOCC」を開発するベンチャー企業「株式会社トワール」は、科学的根拠に基づいた新たな教育サービスの提供を5月12日から本格的に開始しました。

Comment:遂にこの様な機関が誕生しましたね。名進研の生徒約4,000人にトワールが開発したIQやEQを測定する「NOCC教育検査」を行うことで、膨大なデータを収集し分析するというので、魅力的すぎます。教育のエビデンスを確立するには多大な時間が必要なので、完全なる先行者利益である事はいざ知らず、今後の教育制度・教育形態に及ぼす多大なる好影響を期待します。

東大の大学院入試がオンラインになるらしい。

Comment:神ニュース。この情報が真実か否かは置いといて、やっとこんな時代が来たのです。盛大に喜んで良いでしょう。日本は、どこか一つがやり始めたら、それを模範するのは大得意な部類に入るので、このニュースが全世界でバズり、「入試における検索ブラウザ使用の許可」が急激に普及する事で、学部入試段階まで降りてきて欲しい。いやむしろ、小学校・中学校入試段階からの導入まで到れば最高ですね。

⑥子どもの英語教育に悩む忙しいママからの喜びの声続々!親子のための親子英語コミュニティ開講!

アットホーム留学の最大のメリットは、何といっても、親子で英語を「楽しめる」こと。継続して英語を楽しめる環境を作る「朝活」、子どものやる気と自信にメラメラ火がつく「Show and Tell」日本語の文章力も圧倒的に伸びる「オリジナル英語絵辞典作り」など、オンライン会も充実しており、次はいつ?と参加を楽しみに待ってくれている子どもたちが全国に増えています。

Comment:ネーミングが良いですね。何事も継続する為には「ピア・ラーニング」と呼ばれる、仲間と学び、協働し合う、或いは競争し合う事が意外と重要な要素になるのです。この自宅英語留学サービスもそうですが、今後は完全にオンラインとオフラインのハイブリッドが主流化するので、機械音痴には厳しくなりそうです。

⑦ジェンダー平等は女性校長の活躍から!?

学校は、一般企業の雇用機会均等よりずっと早く、女性も男性と同様に活躍できる職場だと見なされてきました。実際、小学校の教員は女性比率が62.4%(2019年度、以下同じ)と、むしろ数の上では優位です。しかし、管理職となると▽教頭27.0%▽副校長32.1%▽校長20.6%……と、今も男性優位です。

Comment:以前読んだ『人生は攻略できる/橘玲著』にも詳細が書かれていましたが、そもそも女性が元来的に数学を苦手とするわけではなく、誰かがある一つのサンプルだけで「女性=数学苦手」と決め付け、その様子を誇大宣伝し過ぎたせいで、皆が無意識の内にその言説を受容し、結果的に「そうなってしまった」のだと思います。人間世界というのは、そこに内在する個々人の認識によって形成されていくものなので、過度な思い込みや言霊は、日本全体に波及する恐れがある事を肝に命じるべきでしょう。

⑧「履修主義」は見直しを 中教審で高校教育について議論

新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの高校で休校が長期化し、在宅学習を余儀なくされた生徒たちにオンライン授業の必要性が高まった現状を踏まえ、中教審初等中等教育分科会の「新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループ」の第8回会合が6月2日、WEB形式で開かれた。遠隔授業の取り組み方や、新学習指導要領を見据えた高校教育について議論し、委員から大学受験や就職を意識した「履修主義」にとらわれない教育を求める意見が相次いだ。

Comment:この中教審初等中等教育分科会の中で議論されている事自体は、随分前から教育界では長期的にずっと議論されてきた事であると存じます。だからこそ、未だ改変されていない現状を省みると、同等物(同性的議論)の延長線上にしか見えないというのが本音です。

私から一つ提案をするのであれば、Voicyという音声メディアで脳科学者の茂木健一郎さんが仰っていた事柄と通ずるのですが、「浪人」という呼称を全国的に禁止する事が喫緊の急務ではないかと論じます。学びというのは、生徒個々人の内発的動機(学んでみたい)や道具的動機(教育は役立つから学ぼう)から生まれるのであり、そこに「期間」や「期限」は全くもって不必要なのです。

つまり、従来型の「出口を重点的に意識した学校づくり」が各地で並列的に行われているが故に、今回のCovid-19の災禍で派生して議論された「9月入学問題」が浮上するのであって、時期やスパンを考慮する必要なく自発的に学べる様に移行する為、学校教育で行われている生徒の学習自体が、生徒個人の内発的インセンティブから生じる設計に改変出来れば良いのです。

ただ、上述した様な教育界の大々的変容が起きた場合、いや起きる以前に、経済界や企業の大反対が生ずる蓋然性の高さは考慮しなければなりませんが。しかし、兼ねてから注目されている「市場のグローバル化」を立脚点とし、「そもそも企業体や法人の在り方は対外的比較において極めて遅延しているので、先に見直すべきである」という主張を、「教育界側」から為せれば事態は大きく変わると思います。

⑨「36年間の指導ノウハウ × 生徒特性のビッグデータ」を活用した、新しい教育サービス

東海地区で38教室を展開する大手進学塾「名進研ホールディングス株式会社」と、科学的データに基づく教育支援サービス「NOCC」を開発するベンチャー企業「株式会社トワール」は、科学的根拠に基づいた新たな教育サービスの提供を5月12日から本格的に開始しました。

Comment:既に以前の記事で紹介済みですが、今後の教育界に多大なる影響を及ぼし得る媒体・サービスとして再度ご紹介致します。従来型の学びにおいて、その基軸は「教職員の(古典的な)勘・経験則」に限られていました。そして、人間の記憶が曖昧であるが故に、生徒の扱い方が不平等であったり、様々な「同質性」による不祥事が生じました。過去に同質的・均一的教育を一方通行型授業で教授された一部の教職員が、同様の教授を現生徒にも為している状態でした。

しかしながら、今回発表された「名進研ホールディングス」と「トワール」の共同サービスにより、人間より圧倒的に計算能力や記憶量力で優勢を誇るAIが、生徒個々人のデータを詳かに算出し、(曖昧な)勘ではなく、大量の統計値に基づいた判断が下せる様になります。教育の質が向上する事は間違いないですが、より一層多大な影響を及ぼし得るのは「教職員格差の是正」です。

嘗ての制度設計では、たまたま生まれた地域のたまたま生まれた先生からしか講義を受講出来ませんでしたが、今後は、生徒の横に常にAIが付き添い、その動向チェックと今後のアドバイスが行われます。そして、その中では「君は〜というネットサービスの先生に習った方が良いよ」という助言も多々生じ得るので、それにより「嘗ては教育に関する情報は地元の人から聞いていた子どもたち」のバイアスが解かれ、よりチャレンジングな試みが各地で頻見される様になるのです。面白いと思いませんか。

もう一つ、デメリットなのか単なる情報なのかわかりませんが一応付け足すと、エビデンスは「時間が経過する事」という至極単純なファクターによって、その精度の長期的改善・ブラッシュアップが見込めるので(見込めてしまうので)、年を重ね、後から生まれてくる子どもたちの方が有利になりやすい事も留意しておくべきでしょう。

⑩今年はいつもと違う 教育費の「ため時」

教育費を不安に思う言葉は、家計相談の場でかなり多く聞かれます。教育費への心配から「もう1人産んでもやっていけるでしょうか」などと、出産の可否まで聞かれることもあります。私に言われても困ると思うこともありますが、経験からいうと多くの場合は意外と大丈夫であると感じます。お子さんに教育を受けさせながら育てられるかどうかは、ご夫婦次第。今は幼児教育や高校、大学も無償化が進んでいますから、やる気になれば何人でも育てられるのではないかと思うのです。

Comment:「例年ならば日中は家にいない子どもたちの食費、日用品代、水道光熱費などの負担も増えています」はその通りですね。学校に通学する回数が明白に減少しているにも拘らず、実際の教育費用は増しているという現状です。毎年春学期に配布される青い二つ折りの「就学援助制度」についても、熟知していない人が多いと思いますのでぜひ。しかしながら、本記事中の「やる気になれば何人でも育てられるのではないか」というセンテンスは少し短絡的すぎますね。育児に関しては、例えば労働改革においても、夫の育児参画率が低率になればなるほど第二子出産率が低下する事実があったり、関係し合う要素が多々あるので一外的に判断するのは好ましくないでしょう。

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miyabi_kyosaka
教育実践キュレーター。慶應義塾大学在学中。NPO法人日本教育再興連盟ROJE所属。読売新聞学生記者。日本若者協議会所属。某 AO入試専門塾講師。N高等学校出身。|「未来は予測するのものではなく、この手で創る」をモットーに圧倒的行動で教育を一新しようと、教育ジャーナリズムの活動をしております。