日本人は単一民族ではない 想像の共同体

 さぁやって参りました〜。今回の議題は最高に面白いですよ。
「日本人は単一民族ではない」なんて言われても、え?となりますよね。
いやいや、俺たち日本人は単一民族でしょ?」と言う方もおられるでしょう。

 しかしながら、日本人は単一民族ではなく、国家や民族とは幻想に過ぎないのです。

 では、なぜ単一民族ではないなのか?

 今回は、私たちが日頃謳っている「国家」や「民族」の本質的意義を徹底解剖していきます。現代的グローバリゼーションの時代を生きる読者のあなたならきっと、理解できるはずです。
 面白い発見が続々と登場しますので、ぜひ楽しんでご拝読ください。
 ※最初に、民族の定義から顔の特徴性、言語に至るまでを比較して考え、最後にその総括を述べる形で記事を展開します。

民族とは共通言語・文化を共有する集合体である

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 民族とは、有名なWikipediaの定義によると「一定の文化的特徴を基準として他と区別される共同体」を言います。 

 このWikipediaにおける民族の定義を参照し、民族の本質を考える際、まず1つ目に極めて重要な観点が「一定の文化的特徴を基準として」という文言です。
 これは、様々な文化を有する人々ではなく、特定の文化を共有しながら過ごす人々のことを指します。日本においても、日本語や日本的風習、日本人的な遺伝的要素(例えば、協調性・同調性が他国と比較して高い性質)を共有している人々が、民族として取り扱われます。それは、近代的な翻訳方法で換言すれば「国民」と言うこともできるでしょう。

 加えて、2つ目に大切な要素は「他と区別される」という視点です。
 隔たりを設ける為に他と区別・決別する事は、民族性を熟慮する際に極めて重要な観点になります。現代は「地球人」等のグローバリゼーションを具現化した言い方を為し、包摂的に民族を捉える事も多いかと思われますが、現実を見渡せば、米国(アメリカ)のトランプ大統領が出現した事実しかり、英国(イギリス)のBrexit(ブレグジット)しかり、民族性を主張する言動が未だ世界で多発しています。これらの民族性を訴求する言動は正に「私たちはあなた達と異なる」と言わんばかりの主張であり、正にそれこそが、上述した2つ目に重要なポイント「他と区別される」を重んじる民族という性質上、極めて大切な要素になってくるのです。

 しかしながら、今述べた民族の定義に「同等の遺伝的血液を有し、先祖の存在も皆同じで、顔の骨格も大半が同様」という仮定が存在したのでしょうか。
 存在していませんよね。それが興味深いポイントです。然らば、遺伝的に元来の日本人ではない人でも、日本で生まれて、日本語を話し、日本の協調性を重んじる空間で養成されれば、日本人としての民族性・国民性を有していることになるのです。

 それはつまり、余ほど欧米的な容姿をしていない限り、どれだけ顔の形や人種が異なろうと、日本国内で長期的に人生を生きれば、日本人の仲間入りが可能だということになります。

日本人・韓国人・中国人の違いが分かりますか?

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 上載の写真に移る人の国籍があなたには分かりますか?
少なくとも私には、中国人とも韓国人とも日本人とも受け取れます。

 これは先ほど述べた通り、明らかに欧米風・白人風・黒人風な容姿をしている人種以外は、日本に住む我々であっても、その他アジア圏の国々の人種と自分達の人種が区別不可能だということを意味します。

 想像してみてください。あなたの友達には、面長な人もいれば、顔が横長い人もいるでしょう。はたまた、卵型の顔をしている人もいれば、ゴツゴツした顔つきの人もいるでしょう。

 そうなのです。この記事のサムネイル画像でも紹介した通り…
 日本人ほど多様な顔をしている人種は殆どありません。

 先程の「日本人・中国人・韓国人の違いが分かりますか」という話に絡めてお話しすると、日本人は元来、南方系統の顔の人もいれば、北方系統の顔の人もいて、更にはインド人やアラビア人を彷彿とさせる顔の人もいるのです。※京都大学のある学者の方が世界中を調査・検討して公表した結果ですので、信憑性の高い比較結果と言えます。

言語の違いはどうか

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 いやいや、1つの言語を有しているでしょ。言語で壁があるから、民族は確実に他と区別されていて、強固な集合体ではないのか?と言う声も上がってくることでしょう。

 しかし、それも間違いです。例えば、東京の人が東北弁を理解するのは相当難しく、そもそも動詞の活用方法すら違います。

 私が以前、友人から聞いた話では、沖縄の人は「〜します」という所を「〜しましょうねぇ」と言うので、いや俺も一緒に行くんですか?と困り果てたと言っていました。
 具体的に言うと、彼は当時、家具屋さんにいたのですが、買いたい商品が陳列されてない事に怒り、沖縄出身の店員さんに「在庫確認してもらっていいですか?」と聞いたところ、「確認しましょうねぇ〜」と返って来たらしいのです笑
 そりゃ、俺も行くんですか?!となりますよね笑

 方言は言語の壁をも超え得る大きな差異を生みます。

 例えば、スペイン語とイタリア語の文法には高い類似性があり、双方を同時に学ぶことが非常に効果的であると言われています。同じ単語が存在していたり、イタリア語からスペイン語、スペイン語からイタリア語への使用言語の変更が行いやすいと言われています。

 そして驚く事に、そのスペイン語とイタリア語の差異は、東北弁と大阪弁より小さいと言われています。
 つまり、東北弁・大阪弁の違いスペイン語・イタリア語の違いなのです。

 これを冒頭の「日本人は単一民族ではない」という言説に応用するなれば、既に日本国内の地域間で、言語的差異が厳然と存在しており、その違いは欧州における国家間の言語的差異をも上回る違いだと言えるのです。
 そろそろ、日本人が単一民族ではない事実が理解できてきたでしょう。

 かつて隆盛を極めたフランク王国を国名の語源とするフランスでは、フランス語以外にも、15個以上の多岐に渡る言語が混在しています。プロヴァンス語やブルトン語、ガロ語など、数え切れません。ネットで検索すると、フランスでは非常に多様な言語が使用されていることが一瞬で理解できるでしょう。

 前述した通り、日本国内には全く異なる人種が多種混合的に存在し、言語的な差異も極めて大きいのです。
 この事実を知った時、果たして「日本人は単一民族である」と言い切れるのでしょうか。

地理的に見れば、日本は「孤立した島国」ではない

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from:Google Maps

 上の写真を見てください。しばしば日本は「この国は孤立した島国なんだから、民族の流動性が少なく、単一民族でしょ」と言われます。しかし、この写真を見ても尚、日本は本当に「孤立した島国」だと言えるのでしょうか。
 普段は真逆の向きで示されることが多いアジア地図ですが、分かりやすい様に敢えて反対向きの画像で映し出してみました。
 では次に、下の画像をご覧ください。

スクリーンショット 2020-04-26 12.24.44

from:Google Maps

 この写真で注目して欲しいのは、イギリスとノルウェー、アイルランドです。
 この両国が醸し出す「孤島感」、日本と似ていませんか?

 しかし、イギリスやノルウェーが「あいつらは孤立した国だ!」と罵られているのを見たことがありますか? ありませんよね。
 そうなのです。日本はやたらに「島国で他の国から孤立している」と言われますが、それは厳密に言うと全くの勘違いなのです。

 イギリスだってEUの中で活躍していた時期が多々ありますし、古くから欧州では超大国の1つです。かつてはアメリカと肩を並べて国力を競っていた時期もありました。

 しかしなぜか日本は、現代においても、江戸時代(徳川将軍)の頃にドイツ人博物学者ケンペルの『日本誌』を『鎖国論』として翻訳した人物、志筑忠雄が命名した「鎖国」という言葉に皆が圧倒され、「日本は閉ざされた国だったんだ、孤立していたのだ」と感じていますが、そうではないのです。そもそも鎖国されていた江戸時代にも、対オランダ交易や対中国交易は活発に行われていましたし、アイヌや琉球の人々とも、薩摩藩や松前藩を通じて、沢山の交流を行っていました。
 鎖国とは、戦略的な管理型貿易だったのです。

 加えて、先程掲載したGoogle Mapsの地図然り、日本国は島国という点ではイギリスと大差がなく、日本海に関しては、大陸から内海や湾くらいの距離しか離れていないのです。これらの情報を見た後にも尚、日本は島国で周囲から孤立しているので単一民族だ!と言うことができるのでしょうか。

江戸城無血開城の時は、通訳さんが必要だった件

江戸無血開城

from:http://www.ne.jp/asahi/koiwa/hakkei/edokaijyou.html

 かの有名な江戸城無血開城。そこには、通訳さんがいたと言います。

 つまり、当時、西郷隆盛と勝海舟は同じ言語を話していなかったのです。

 私はこの話が大好きで、いつも考えるだけで面白くなるのですが、これだけ国を支えた上層部の人達でも、違う言語を使用していたという事実は、意外過ぎて笑けてくるレベルです。

 逆に言えば、明治維新で、文明開化や産業革命が起こり、国民国家を土台とした日本国が作られたスピードの早さをひしひしと感じています。当時の日本では、少数の学者・有識者が一体となり、一気に、英語やオランダ語をはじめとした言語を日本語に翻訳しました。福澤諭吉先生が「economy」という言葉を「経済」と訳したのは現代でも有名な話です。
 ※余談ですが、だからこそ「慶應経済=ピカん✨」みたいな印象があるのかもしれませんね。

 更に具体例を挙げるならば、古代日本では、大和朝廷が平定に苦戦した、東北の蝦夷一族が存在しました。伊治呰麻呂(これはりのあざまろ)や阿弖流爲(あてるい)等の族長リーダーが率いる一族で、何度も朝廷側に反乱を起こしました。彼らも後には俘囚という呼び名で朝廷側に統合されていきますが、元々はや全く異なる人種であったと言えるでしょう。

聖徳太子と蝦夷

from:ja.wikipedia.org

 それ以外にも、日露戦争においてロシア帝国海軍をバルチック艦隊が突き破り大活躍した海軍軍人である、連合艦隊司令長官の東郷平八郎なども、その祖先は安土桃山時代に豊臣秀吉が朝鮮出兵を試みた際、大陸から日本に渡来してきた人々だと言われています。

海軍軍人 - 東郷平八郎

from:ja.wikipedia.org

 これまで見てきた通り、日本人は単一民族だと言い切れません。
 どちらかと言えば、古代やそれ以前の原始時代に大陸から日本列島に渡来してきた種々雑多な人種が混在する「多様な民族性」がある国民なのです。

 この記事を読んでどう感じましたか?
 誰もが驚くと思いますが、私が普段発信している「学ぶことの楽しさ」とは正にこのような事です。人間は昔から知的欲求が装備された生き物なので、1つを知れば、深掘りする為に2も3も知りたくなるものです。今回で言うと、東郷平八郎の祖先を知ったら、では日露戦争とは何だったのか?朝鮮出兵とは?と色々な興味が湧いてくると思います。

 そうやって、1つの点から様々な点に移動して学び、その点が繋がり合うことで「線」を作っていけば、多種多様な物事を理解できる頭へと変化して行きます。

 今回は「日本人は単一民族ではない」という表題で記事を執筆致しました。
 役に立った!面白かった!という方はぜひ、シェア宜しくお願い致します。

 ではまた明日の7:30にお会いしましょう👋

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miyabi_kyosaka
教育実践キュレーター。慶應義塾大学在学中。NPO法人日本教育再興連盟ROJE所属。読売新聞学生記者。日本若者協議会所属。某 AO入試専門塾講師。N高等学校出身。|「未来は予測するのものではなく、この手で創る」をモットーに圧倒的行動で教育を一新しようと、教育ジャーナリズムの活動をしております。