インタビュー – 山内太地所長 / Taiji Yamauchi Chief 〜情報化社会における学校教育と異端者の学び〜

一般社団法人 大学イノベーション研究所 山内太地所長にインタビューをさせて頂きました。

同年代の高校生にぜひ読んで欲しいです。

Contents
1.情報化社会における異端者
2.時代改革
3.価値が提供できる人になるべし
4.ネタ社会と反逆する学校教育システム
5.今、行くべき大学は?
6.将来目標に対する実現可能性型思考の弊害
7.教育という概念
8.金融と学校教育
9.英語民間試験の選択
10.好きと仕事

1.情報化社会における異端者
山内所長
情報社会において「お金が無いから大学に行けない」という人は、情報弱者になってしまっています。情報を取り、入学基準に努力して達すれば、無料で入れる大学だって見つかります。

日本人は与えられた事をこなす能力は高いですが、自分から仕事を生み出す能力が低いです。極端な話、中国人もアメリカ人も無いかもしれません。

ではなぜ上手くいっている人間が居るのかというと、1000人か100人に1人「気が付いてしまった人」というのが誕生して、「あれ?世の中おかしくね?」となり、そういった人たちが革命家に成るからです。そういった人達がベンチャーをやるのです。

沢山の人が工場で働いたり、お店で「いらっしゃいませ」と言うだけで満足しているのです。

だからこそ気付いてしまった人は世の中を変える「ベンチャーのマインド」を持っているのです。

そういった人達は言われた事だけやっていても伸びないのです。気がついちゃった人が世界を変えるしか無いのです。

2.時代改革
京坂
時代改革のできる層はやはり高校生でもかなり限られていますか?

山内所長
100人に1人」です。

今高校生と話をしていて励ますために「100人に1人」と言っていますが、本当は「1万人に1人」だと思っています。

スティーブ・ジョブスはそう簡単に何人も生み出すことは出来ません。

3.価値を提供できる人間になるべし
山内所長
普通は高校生大学生が著名人に「会いたい」と言ってきたら基本無視です。何か結果を残した人になるべきです。

美術大学の学生で「すごいイラストを描きたい」という人に会いたいと思うか、「私のイラストがこの文庫の表紙になってます」という人に会いたいかという事です。アドバンテージがないと続きません。僕も昔営業をしていた頃に思いました「ビートたけしが営業に来たらみんな買うよね」と。なので何者かになってしまえば先方に価値を提供できるのです。

今世界は壮大なネタ社会になりつつあります。「あなたは何の持ちネタがあるの?」と。「灘を出て東大入りました」より前に「あなたの持ちネタ何?」が大学入試においても問われているのです。将棋で世界一など。

ハーバード大学などこれからの大学受験で非常に大切になってくるのは「俺を取ったら、貴学が得ですよ」という姿勢です。

しかし「俺を取ると良い。」というのは点数競争では可視化されません。

4.ネタ社会と反逆する学校教育システム
京坂
今の画一的な学校教育システムが施されている中では山内さんのおっしゃっている事と真逆の人間になってしまいそうですね。

山内所長
目まぐるしく変化する社会において、学校教育に期待すぎるのは良くないと思います。

皆さん何処かに理想の高校、理想の大学という想像をしてしまっているかもしれませんが、理想の高校や大学が良かれと思って提供してくれるシステムは結局、個々人に最適化されているわけではないのです。

カスタマイズされているのは今のN高校、などですね。フィギュアスケートしたいならこっちと。

皆学校の中でシステムを変えようとしていますが、基本スタンスとして学校は必ずしも必要ないという発想を持つべきです。

「学校に行くな」や「全ての学校がいらない」わけでは全然無くて、「精神的に独立しよう」という事です。「私がどう生きるか」という指針を自分の中に持っていれば、良いと思います。

アメリカや中国では、気がついたエリートが大衆を引っ張っていくシステムです。ところが日本は気がついた奴らを潰してしまっています。「お前は社会の論理からズレている」「髪の毛は茶髪にしてはいけない」と。みんなと同じ工場の従業員にしてしまっているのです。

僕が感じているのは「天才は放っておこう」という事です。天才に対して枠にはめようとしすぎないことが大切だと思います。

気付いた人だけの集まりより、その人達の背中に乗っていけるような人達への教育は必要だと思います。

これだけ大学が増えているにも関わらず、専門学校がなくならないのは「言われた通りにしっかりやってくれる人」も必要だからです。

僕が出会った立教大学の学生で「登山、相撲、日本史」に非常に詳しくて、そうすると何ができるかというと、この国を多くを占める高齢者への影響が非常に大きく、話が合うのです。だからこそ社会的に突き抜ける場合は、どこをターゲットにするかも考えないといけません。今の学生達は幕末の西郷隆盛や高杉晋作の状況と似ていて、「威張らないで勝つ」ということですね。

5.今、行くべき大学は?
京坂
山内さんからの視点で、今行くべき大学は?

山内所長
昔は「ここがいい」と言っていましたが、現在は人によって違うので一概には言っていません。

ファッションデザインをするなら東大という選択肢はないし、カスタマイズは自分自身ですべきです。

同じ世代の方も多いかも知れませんが、僕自身も正解を求めてしまう癖がまだ抜けきれていない状態で、このような質問になってしまいました。やはり日頃から自分で選択して決めていくという一種の責任感を持つべきだと強く痛感させていただきました。

6.将来目標に対する実現可能性型思考の弊害
京坂
個人的な質問ですが、何かを実現したい時に「出来る確率」を考えてしまいます。

山内所長
確率を考えてみんなオリンピックに出るのでしょうか?

あなたがやろうと思っていることは、人生の中で全部できるんですよ。何歳までこれをやったら次はこれをやろうという設計ができるか、考えられるかが非常に大切です。

例えばスポーツは肉体的に30歳まで全力でやろうなどです。そういった計画性を学校でも教えるべきだと思います。

女性の場合などは「いつ産むのか」というもう一つ大きな決断がありますから、そう言った部分の設計ができるかが大切です。

スポーツ選手引退した後に何をするのかを並行してスポーツ選手をやりながら考えるべきだと思います。

京坂
1
つの仕事だけして、頭の中だけで他の事を並行して考えるべきか、23つの仕事を並行するべきかどちらでしょうか?

山内
興味のあるものは全部やるのです。全部同時進行をするべきなのです。やがて興味のないものはフェードアウトして行きます。

僕なんて取材したら翌日書かないと忘れてしまうので、次の日の朝5時に起きて2時間で即ブログにアップしたりします。相手の許可があれば、取材している状況自体を動画で配信することも出来ますね。

秒単位で動け。ということです。

65%出来たら出してしまう事も大切です。日本人は100%の仕事を求めて長い時間をかけますが、65%で世に出して、叩かれながら修正していく事が大切です。

7.教育という概念
京坂
教育というスタンスは完全に時代錯誤だと思いますが、どうでしょうか?

山内所長
その通りですね。

Learningが大切です。学習なのです。学習とは自発的にする事です。

昔、本居宣長という人物がいましたが、7年くらい京都に出て行って偉い先生の所を回ったそうです。

そう行った学習が非常に大切なのです。自分で考えて何かを作るという事です。

「大学の教授」と「高校の先生」の違いは、大学の先生は「貧困ってどうやったら解決できるの?」など自分で考える事が仕事で、高校の先生は教育をもとに「紫式部がこう言ってます。ニュートンがこう言ってます」と誰かが考えた事を代弁する事が仕事だという事です。自分で全て考えられる人は大学に必ずしもいく必要はないですが、大半の人がそうではありません。だからこそ大学に行く価値はその人達へあるのです。

8.金融と学校教育

京坂
今月(20195月)から学校法人角川ドワンゴN高等学校でも「投資部」が設立されましたが、日本の学校はなぜ金融教育を施してこなかったのでしょうか?

山内所長
それはシンプルに「自分の頭で考える人間が今まで必要ではなかった」からです。

今は自分で考えられる人間は本当は大切です。僕は英語教育にもそうですが基本的にできる人がやれば良いというスタンスです。

9.英語民間試験の選択

山内所長
今高校生の方達は、TOEFL iBTIELTSを受けて欲しいなと思います。

英検とGTECを評価してくれる大学は日本の中だけで、海外ではほとんどありません。

TOEFL iBTIELTSを受けると、自分の本当の英語の戦闘力がわかります。

「野球が得意です」「サッカーが得意です」では意味がなくて、評価側は数値が欲しいわけです。

10.好きと仕事
京坂
山内所長が今小学生だったら、何をどのように学ばれますか?

山内所長
好きな事をやるしかないですね。

僕の4歳の子供を見ていると思うのが「すでに親の言うことは一切聞かない」と言うことです。なので親から「医者になれ。東大に入れ」と言うのは無駄だと思います。だから好きな事をしてして欲しいし、自分が小学生だったら好きな事をします。

京坂
突出したものを作れと言う事ですか?

山内所長
突き出るものを意図的に作ろうと思って作れるわけではないと思います。

僕はたくさんのお金を使って世界の大学を巡りましたが、これが仕事になるなんて思ってもいませんでした。

さかなクンなんかも一緒ですね。

何がベストかは、自分自身が決めるものです。社会的な評価はひとつの参考としながらも、自分の軸を持ち続けることが非常に大切だと思います。学校も、実際は入学してかからしか分からないものが数多くあることは事実です。

~山内先生へのお礼の言葉~

非常にお忙しい中貴重なお時間を割いていただき誠にありがとうございました。

自分自身とは何かと言う事を問い続ける大切さを痛感し、その問いの必要性を僕もブログを通して高校生に発信していきます。

[山内太地所長 プロフィール]


山内太地(やまうちたいじ)
一般社団法人 大学イノベーション研究所 所長
1978年岐阜県中津川市生まれ。東洋大学社会学部社会学科卒業。
理想の大学教育を求め、47都道府県14か国及び3地域の884大学1174キャンパスを見学。
日本国内の4年制大学役800校(2018年度現在)はすべて訪問。
著書多数

 

 

 

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