Weekly Edu 7/20(Mon)〜7/26(Sun) 〜教育の最前線を知ろう〜

 この度、Learners Highで継続的に発信してきた『今週の教育キュレーション』が新たに生まれ変わり、『Weekly Edu 〜教育の最前線を知ろう〜』として復活致します!

 早速、本週7/20(Mon)〜7/26(Sun)の教育情報を見ていきましょう!


① 国連事務総長 各国に教育への投資増やすよう呼びかけ

国連事務総長 各国に教育への投資増やすよう呼びかけ | NHKニュース
【NHK】国連のグテーレス事務総長は、南アフリカの人種隔離政策の撤廃に尽力したネルソン・マンデラ元大統領の生誕記念日にあわせて講演…
NHKニュース

国連のグテーレス事務総長は、南アフリカの人種隔離政策の撤廃に尽力したネルソン・マンデラ元大統領の生誕記念日にあわせて講演し、貧富の格差や人種差別などをなくすには誰もが公平に教育を受けられるようにする必要があるとして、各国に対し教育への投資を増やすよう呼びかけました。

 日本の公教育は、全国地域間格差の是正の為に一役を担っている訳ですが、完全なる格差是正は現実的に不可能で、現時点で教育格差ゼロを実現・体現している国は世界的に皆無です (参照:『教育格差 / 松岡亮二 (ちくま新書)』) 。しかし、日本の公教育の教育格差是正機能には「(良い意味でのカリキュラム・意見基準的)画一性」や「同一性」が内含されており、どの地域に出生しようと自己の能力研鑽を継続的に為せればある程度の社会的成功の可能性が担保されています。当然出生地の伝統的環境・文化が個々人の成長過程に多大なる影響を及ぼし、学習意識が低度な地域圏で長期的に生活を営んだ場合は不平等が露見されるでしょう。しかし、現代社会には「インターネット」という革新的な科学技術が現存し、その閉鎖的文化圏から逸脱する事も時には可能になります。然らば、国政における教育予算を増額させ、世界的に多大な後れを取るICT環境の整備やBYOD、GIGAスクール構想を全面的に推進出来れば、その文化間での個人的越境性を創出出来るのではないでしょうか。

② 生きるスキルと進学率を両立 米国「最高」の教育とは

タヴァナー氏は元高校教師。一人ひとりの生徒たちの力の伸ばし方、向き合い方を10年ほどの教員生活で模索した。そして教育とは「子どもが将来、意義のある仕事を求めて自分の好きなこと、大切だと思うことをし続けられるための準備」であるべきだという思いに至る。

本記事にて引用すべき枢要な箇所をもう一点補足しておきます。

ユニークなのは計画、時間配分、どんな素材やパートナーを選ぶかまで、すべて生徒に考えさせること。「SMARTゴール」と呼ばれるフレームワークを活用し、2分という短時間で課題や計画を立て、周囲とのシェアを行う。最後には生徒たちに達成状況と振り返りを行わせる。ちなみにSMARTとは具体的な(Specific)、測定可能な(Measurable)、実現可能な(Actionable)、現実的な(Realistic)、期限を示した(Timebound)の頭文字をとったものだ。

 日本の伝統的な画一的教育プログラムが示唆する様、講義形式は、旧ソビエト連邦の心理学者レフ・ヴィゴツキーが主唱する「発達の最近接領域」を全面的に度外視し、歯車的人材育成に主眼を置いてきました。その中で現代VUCA時代に対応可能な人材は育成されず、工業化・近代化・産業化社会に最適な人材育成のみ半恒久的に実施され続けているのです。しかし、上述した様、学習や発達においては「少し手を伸ばせば理解可能」や「もう数時間考えれば読解可能な事柄」等を教師が “各々の発達段階における最近接領域を模索しつつ” 提供すべきであり、従来的な学習指導要領、教員免許取得過程におけるカリキュラムでは不十分である事実は自明なのです。最先端社会・高GDPを構成する大企業群が集中的に内在するアメリカ合衆国だからこそ、その教育の真髄・真贋を検討する余地は大いにあると思います。この書籍、私も手に取ってLearners Highで共有致します!

③ 教育のオンライン化は待ったなし!“導入・運用のポイント”とは?「eラーニング体験セミナー」7/30開催

導入実績1500超を誇るeラーニング専門ソリューション企業、株式会社デジタル・ナレッジは、2020年7月30日(木)、『eラーニング体験オンラインセミナー』(https://www.digital-knowledge.co.jp/archives/22659/) を開催いたします。
 申込みは7/27(Mon)まで! 本イベントでは、効果的なeラーニング導入までの流れ・スケジュール感に加え、導入フェーズ・運用フェーズで重要となる各ポイント等が紹介される予定で、実際の体験型ウェビナーなので、一元的に一義的な一方通行のセミナーではなく、仲合的なICT環境体験が可能です。オンライン教育に関連する具体的準備手法やデバイス操作方法等を一人で暗中模索している人には推奨致します。

④【インクルーシブ教育最前線】偏見、差別と向き合う ~新たな課題も~

障害者と健常者の片方だけが相手の世界観に寄り添うのではなく、両方が相手を知る努力をして世界を広げられれば、ボタンの掛け違いが起きても今後は、一緒にボタンを掛け直せるのでは、と感じることが多かったように思います。互いが相手に対して思いやりの心を持ってることは間違いないのですから。

 特有的障碍や不自由を有する人に対して、精神的・良心的な対応を為すだけでは相互理解は促進されません。障碍に関する知識素養や実体験等を教育課程に必須事項として盛り込み、従来以上に多元的な障碍体験や学習が可能になる体制を整えていきたい所です。一心だけで解決可能ではない事柄だと思います。

⑤「平均点教育」に殺される、「発達障害の子ども」が持つ才能

無限の可能性を秘めている発達障害の子どもたちは、現代の学校教育の場では生きづらさを感じている場合があります。発達障害の個性が武器になるか、障害とされるかは、所属する社会環境に左右されるといえるのです。
 圧倒的例示能力です。この記事、ここ最近のトップ記事の中で卓越して洗練され、中身の詰まった内容となっています。大量生産・消費社会の権化「均質的教育」の本源的意義を再考する良い機会になるはずです。何より、内記される寓話の具象性や明快性が素晴らしく、教育関係者並びに子持ちの親御さんは絶対に拝読すべき記事でしょう。

軽すぎた9月入学論議 臨教審の教訓どこに

あれから33年。いま、コロナ禍が浮かび上がらせているのは、入学時期の問題以上に、まさに「一斉」「一律」教育の限界である。

長期休校で授業が何百時間分も失われたと嘆くが、そこには、学びを履修時間数でとらえる意識がある。そもそも入学時期にこだわること自体、みんなで一斉に学校に行くという「常識」に基づいていよう。

社会の非接触化、オンライン化は、こういう固定観念に風穴を開ける可能性をはらんでいる。それは子どもたちだけの話ではない。学びたいときにいつでも学べる社会へと、変化はつながっていくかもしれない。

 9月入学以降に随伴する難度の高い数多の必須作業を全く考慮せず、無鉄砲な改革案を切り出す無計画な姿勢は、教育界隈全体でもう一度再考し直すべきでしょう。正に本記事で描写される「教育の自由化」然り、本質的議論は永続的に教育関係の公的機関で為されるべきでしょう。その基調的土台がないにも拘らず、無思考に方法論や一時的対処法だけを暗中模索することは、いかがなものなのでしょうか。

⑦ 教育費が足りない家庭が実行すべき3つの計画

教育費が足りない家庭が実行すべき3つの計画(東洋経済オンライン) - Yahoo!ニュース
JKで高2女子の大里花実は、新型コロナをきっかけに、人生についていろいろ考え始めた。すると、自分がいかに世間知らずでお金のことも知らなさすぎることに気づいた。第4回は「お金の計画の立て直し方」につい
Yahoo!ニュース

 「もしかしたら、前のようには戻れないって考えるべきなのかな。あるいは、新しい時代がくるということかもしれない」「私たちは、新しい時代の家計のあり方を考えなくてはいけないのかもね」

 JKで高2女子の大里花実さんが、新型コロナをきっかけに、人生についていろいろ考え始め、自分の金融知識に関する無知さを垣間見て、金融知識に関して学ぶ連載で、読みやすい記事です。

 本記事で話題となっている労働環境についてですが、大手家電量販店のノジマさんが「80際まで労働可能な環境」を構築したニュースが現在話題奮闘中でもある中、本記事に登場する大里家の母がスキルアップの為に簿記試験を受験したり、正社員登用試験を目指したりする様に、今後の社会環境の中では常々「人生100年時代」を意識した働き方が必須になってくるでしょう。

下記引用も興味深い点です。

 「だって1万6540円よ!  年金って、おばあちゃんとおじいちゃんがもらっているやつだよね。なんで、20歳になったばかりの私が払わなくちゃいけないの?  年金もらうのなんて、何十年も先だしさ。それに、私たちは老後に年金もらえないかもしれないって、ネットでみんな言ってるよ。私たちの世代は絶対払い損だよねえーって。花実だってそう思うでしょう?」

 年金制度に関する指摘です。そもそも、本記事自体が公的年金制度の根幹的役割を知る為に有用で、簡易的に咀嚼された文章なので、非常に理解しやすい構成になっています。

⑧「教育よりもスキル」を教える大学で優秀な教員は養成できるのか

「大学の教育学部は、どんどん『師範学校化』しつつあります。これが、日本の教育を『型』にはめようとしている元凶のような気もします」と、ある教育学部の教授が匿名を前提に語ってくれた。

 形式的画一性の中に包有される教職員の現状が赤裸々に語られています。特に大学4回生の方々が大学卒業後、急に学級主任を委任される傾向は極めて危惧すべき傾向でしょう。確かに教育実践における均質性は格差是正に有力な効果を発揮しますが、それはあくまで各々の生徒達に確実なケアを施すことであり、形式的に学習指導要領を模倣・実践することではありません。記事内でも語られていますが、現状が続けば、学習指導要領が内含可能な教育事情のみが優先事項とされ、個別具体的な生徒指導に時間を割くことが(それを実践する為の研修を受ける時間的余白も)厳しくなります。トップダウン型の無批判的信奉は再興する必要性があるでしょう。

⑨「若手ほど高い”キャリアアップへの意欲”」~教育訓練給付金の活用で自分に武器を~

「スキルアップのための勉強」として、これらが上位に挙げられています。
・英語…63%
・プログラミング…22%
・語学(英語・中国語以外)…9%
・デザイン、コーディング、CSS…8%
・MBA(経営学修士)、経営学…8%
・心理学、コーチング…7%
・中国語…6%

 公益財団法人日本生産性本部が実施した「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査」、エンワールド・ジャパン株式会社「新型コロナ禍におけるキャリア・転職意識調査」における若年層の学習意欲等を抽出しつつ、雇用保険の加入年数に比例して受容可能になる一般教育訓練給付金(制度の目的 ··· 中長期的なキャリア形成・雇用の安定と再就職の促進 )についての概説が明快に語られている記事です。『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略 / リンダ・グラットン』に詳しいですが、学習意欲に対する制度面からの(労働者への)後援体制が確立されていることは良い報告だと感じます。加えて、現代型の学びは所謂「限界費用」が最大限縮減されているうえに、抜粋ポイントでも垣間見えますが、英語やプログラミング等は無料ネット・動画サービスを利活用すれば大半の部分を補完することが容易です。ぜひ、学び始めましょう。

⑩ イスラエル独自のエリート教育、その成り立ちと本質

イスラエル独自のエリート教育、その成り立ちと本質(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース
■イスラエル独自のエリート教育、その成り立ちと本質 近年、イスラエルに世界の注目が集まっている。ITに限らず自動車、医療、農業など様々な分野で優れたイノベーションが数多く創出されていることが注目
Yahoo!ニュース

近年、イスラエルに世界の注目が集まっている。ITに限らず自動車、医療、農業など様々な分野で優れたイノベーションが数多く創出されていることが注目されている。
(中略)
タルピオット・プログラム」と呼ばれるこのエリート教育は、優れた資質を持つ18歳の若者、わずか50名を全国から大変な手間をかけて選抜し、通常なら4年間かかる大学教育の内容を3年間で集中して学ばせ、エリート技術者を育てるのである。この選抜課程とプログラム内容の章を読むだけでも、日本との違いに読者は驚くであろう。

 イスラエル式エリート教育の根底的意義に関して、サクッと学べる記事です。今日的米中ハイテク戦争に鑑みても、軍事大戦が完全IT化する現代情勢において、内政・政情が不安定なイスラエル的には確固たるIT人材を養成する必要性があると云います。本記事最後に指摘される「教育の内出血問題」は見所です。


 今週の教育情報が少しでも、皆様(教育関係者並びに、教育関係以外の分野の方々)の学びになれば幸いです。次回は7/27(Mon)〜8/2(Sun)間の教育情報をキュレートしていきます。

(執筆:京坂 雅 @miyabi_media)

スポンサーリンク
Advertisements
スポンサーリンク
miyabi_kyosaka
教育実践キュレーター。慶應義塾大学在学中。NPO法人日本教育再興連盟ROJE所属。読売新聞学生記者。日本若者協議会所属。某 AO入試専門塾講師。N高等学校出身。|「未来は予測するのものではなく、この手で創る」をモットーに圧倒的行動で教育を一新しようと、教育ジャーナリズムの活動をしております。