未来教育会議 熊平美香代表 Interview

未来教育会議 熊平美香代表に「学校と社会の接続関係性」についてインタビューさせて頂きました。
熊平さん自身の経験や、現在の会社内での役割と学校の接続性を紐解いていきます。

     
未来教育会議公式サイト – https://miraikk.jp/

Contents
1.学校の社会接続
2.1つしかない軸の成績評価システム
3.日本の良さは集団力
4.教育が日本を作る
5.自分のコアを育む
6.人生の段階と校舎としての学校
7.システムからのリベンジ
8.保護者の学び直しを
9.未来を自分たちで作っていこう

1.学校の社会接続
京坂
未来教育会議さんからみて、現行の学校教育について率直にどう思われますでしょうか。

熊平
「人間は画一的なモノだ」という前提に設計が始まっているということですね。
「同じように、同じスピードで、同じことを渡せば、同じように学べます」という前提で、「人間は多様だよね」という事が前提にない事が、1番の問題だと思います。

できる限り多くの人々に、できる限り高いレベルの、同じような教育を届けようとしています。
そしてそれは良い面もあると思いますが、それによる弊害も沢山あると思います。
今は不確実な社会で、その悪い面が色々な場面で目立ってきています。なんとなくこっちの方向だよねと時代が動いているときは機能していたのかもしれませんが、世の中がどうなっていくのかわからない時代には、機能しにくくなっているのが現状です。

20世紀の教育はある種、世の中の戦略が明確になっていて、そのためにどういう人作りをしていけば良いかが社会とマッチしていて、両輪がうまく回った時代だと思います。
でも時代がどんどん変わってきて、未来は自分たちで作るものになっています。正解がない時代において、トライアンドエラーしていかなければいきていけない時代には、画一的な学びのあり方というのは今の時代にマッチしていないなぁと感じます。
全部否定するのではなくて、良さも当然あったけれども、「時代に合っていない」という所にひとつ変革すべきドライブがかかっているのだと思います。

2.1つしかない軸の成績評価システム
京坂
時代とズレているシステムや戦略とは、具体的にどのようなものでしょうか。

熊平
1つは「評価システム」ですね。
未来教育会議の中でも書いていますが、「マルチプルインテリジェンス/Multiple Intelligence:人の才能は8つの分野があって、それを掛け算して個性が生まれていく」という理論が昔からあります。
これまで学校では言葉の世界や算数数学、論理の世界がすごくフューチャーされていましたので、サッカーやスポーツのフィジカル面、音楽分野といった、それ以外の自分の得意な分野が個人個人にあったとしても、一部の所(言葉、数学、論理)だけがフューチャーされていることによって、そうじゃない部分を育ててもらえない、育てられない環境があり、人の可能性を上手く開くことが実現しきれていませんでした。
だからこそ、評価のシステムがもっと多様であれば良いと思います。テストで何点取るということだけではないし、人の評価はそれだけじゃないという事が認識されるべきです。評価のための勉強では、今の時代においては本末転倒になってしまいます。

3.日本の良さは集団力
京坂

逆に学校システムの良い面とはどの部分なのでしょうか。

熊平
「集団力」ですね。これは私が昔、実際に経験して驚いたことです。
外国人が100人くらい集まって移動していた際に休憩と取りました。ところが、休憩が終わった5分後くらいに「トイレに行きたい!」と言い出す人が出てきたのです。でもこれは日本人だけの空間なら絶対に起きないですよね。
そういった日本人の常識「調和」や「周りに迷惑をかけない」ということは、学校で自然と教わっているのだなぁと感じました。「キチッと並ぶこと」を海外の小学生ができるかというとできないと思います。そういう何とも言えない「日本人らしさ」は学校の中で育まれていると思います。

少しメタファー(隠喩)的に言うと「平均点の高さ」も特徴ですね。
つまり、学習を習熟度という観点で測った時に「まぁまぁ世界レベルで見ても平均点が高い」という部分は良さとしてあります。
全体としてまぁまぁ点数が取れて、教育が本当に受けられない子供達が国内に少ない所です。
しかし今の時代それ(平均点を高く取るためのカリキュラムやプログラム)によってドロップアウトする人達が、出てきていることは「悪い面」です。それは個人にとってとても不幸なことだし、全体としても機会を損失してしまっています。
全体が平均点を高く取るシステムは、日本が古くから「皆ができるだけ幸せになるように」ということを大事にしてきたもので「今までの時代は」役立っていましたが、現代においては変革が必要です。

京坂
確かに大半は良い品質が保証されていて、日本人全体の平均点は高いと思います。しかし私は、その枠から外れた人たちへの「手助け」や「ヘルプ」をもっと改善すべきだと思いますが、どうでしょうか。
実体験として私も、先天的な変えられないものに集団的に外部から軽蔑をされた経験があります。

熊平
海外を見てみると、自由に主体性を尊重して教育を行なっている欧州のデンマークなどでも、1つ日本に学びたいことがあると言っていたりします。それは「ある一定レベルまで、読み書き算盤ができること」ですね。海外では意外とバラツキがあるのが現実で、俯瞰して見てみれば、ある種の規律性を持って統合し、マネジメントができている事は日本の良さですね。しかしそれが「これからの良さなのか」は考るべきポイントですね。

途上国が先進国に向かう為に、一番の課題としてあげられるのは「中間層が薄い」という事です。日本の戦後の成功は中間層が厚かった事で、その厚みを作った教育が今までの教育と言われています。
しかしAIの時代になると、そこは機械にほぼ取って代わられると言われる構図なので、おっしゃる通りで「中間層を作ること」に依存していると良くないですね。

4.教育が日本を作る
京坂
1つの政策を政府が発布しても、スマートフォンができて10年で数多くのイノベーションが起きた急激な技術的、生活的変化を伴う社会においては、政策ないしは教育内容が後発的で、常に生徒や国の方向性が「時代の狭間状態」がこれからもずっと続いてしまうと思うのですが、どうでしょうか。

熊平
まさに教育が、今とこれからの日本を作っていくと思います。

画一的という事は「皆で同じ方向に、一斉に進む方が良い時代」には、それで良かったのだけれども、今のように混沌としてあちこちで色々な事が起きている中では、そこに飛び出していく人をどう作るかです。

多様性はやはり重要で、人間と機械で考えると、日本人の持っている情報処理能力の正確さや緻密さは今現状、他国に比べて武器ではあるけれども、今後は全て機械が代替してしまうわけです。
「不完全」というものが人間の良さなので、それがどういう風に世の中に寄与していくのかは大切ですね。

私たちがこの活動(未来教育会議)をしている上ですごくモデルにしているのはヨーロッパです。
OECD/経済協力開発機構が2002年に「2030年に向けて」と教育改革をした時に、非常に共感したのが、今またはこれから生まれてくる子供達が直面する様々な課題は前の時代の人が作ったわけで、OECD/経済協力開発機構もそれを認めていることです。
だからこそ、教育で何をしてあげられるかといえば「複雑な問題があっても、解決できる」「目の前に課題があっても、前向きに生きられる」という人間を育むことで、それにOECDは注力しようと思っています。解決できる困らない人を作っていく事がこれからの幸せにおいて必須だと思います。変化に対して恐れず、自分で何かを作っていけるような人材です。環境問題などは一国でも解決できないのでたくさんの人と手を繋いで解決していける人材を増やしていくことが大切だと思います。
1つケースを紹介すると、オランダは「教育の自由」が憲法で謳われ、担保されています。
学校の設立、理念、方法論は自由であると謳っています。自由に、教育を受ける側が自分で選択していけるという事がオランダには、実際のシステムとしてあります。

何か大きな教育の理念や方針はあるべきだと思いますが、その方法論やどんなアプローチとして施行していくかは色々あっていいと思うのです。
自分の頭で考えて、「違う意見や違う価値観を持っている人と対話できて、未来を一緒に作っていくこと」が大切だと思うので、大きな理念や方針のもとにおいても、方法論はどんなやり方でも良いと思っています。平均点を高く取れるように一律に画一的な方法で行うことは良い面もありますが、まだ進化の余地が十分にあると思います。

京坂
理念の発起元として何処が掲げるべきなのでしょうか。

熊平
国という単位が今後どうなるかという話はありますが、今1つのコミュニティとして国が大きく機能していることを考えればやはり「国」が掲げることは大事だと思いますし、それを社会として共有するべきです。

教育においては文科省や教育委員会、学校が存在しますが、結局は社会が養成して形作られる部分が大きくて、国民一人一人が影響力を持っていて、教育に関わる全ての人たちが理念を作り上げていくものでもあります。
上から落ちてくるものではなくて、国からトップダウンで決めるというよりは「全ての人たちがそれを望み、それが結果として民主主義の制度のもと、そういう理念を持とう」という風に社会の理念になっていくのだと思います。

これからの教育というのは、「未来を作れる人を生み出す」ものだと思います。
未来は、誰が決めるものでもなく、皆が作っていき自分たちがどう動くかです。そう考えた時の対比で言うと、これまでの教育は過去学んできたことや作られた知識を吸収する制度や感覚で、それも当然意味があるのですが、過去の事例も踏まえて「新しい知を生み出すこと」が今すごく求められていると思います。

オランダやデンマークの教育を見てきてよかったと思ったことは「自分は何者か」という強みを知って、「相手の強みは何か」と得手不得手があることを知り合い、「自分と皆が一緒になって社会のために何を貢献できるのか」の3つを考える教育を、小学校の頃から行なっていることです。
自己肯定感をしっかり持つことや他者と繋がって、お互いの良いところや悪いところもあるけれども、チームになった時に何ができるか、自己満足ではなく世の中にどうリンク、接続できるかが大切だと思います。

京坂
勉強的な学びより、研究的な学びですね。

熊平
先人がやったことやベーシックに知っておくべきことはまず吸収する必要がありますが、そこで終わるのではなくて、これからの時代は新しい未来の知を作り出す力が求められています。

今の延長線上の未来は、皆が嫌だと思っています。延長線上ならば今までの知でOKなのだけれども、違う未来を創造していくは、人間が新しい知を作り出していくしかありません。
考え続けたり、学び続けなければなりません。「これを学んだら終わり」ではなくて、未来が見えないので、自分でもアンテナを張りながら色々なことを知り、作りながら考えていく力が必要なのです。

5.自分のコアを育む
京坂

経験の数が格段大きな熊平さんが思う、理想の教育とは何なのでしょうか。

熊平
自分の興味や関心に寄り添って、興味関心を許してあげるような教育ですね。
昔、通信簿でオール5になる事で褒められた事があって、それに喜んでいた自分がいました。
でもそうじゃなくてもっと好きな事があっただろうし、そこにグッと突っ込んでいったら、自分は今どうなっていたのだろうと思います。

私は3つくらい昔やりたい事がありましたが、全部否定されて当時は手放しましたが、後になって「大人はそこに関しては間違っていたんだ」と気づき、今になってここが私のコアだったのだという部分に気づきました。

息子が小さかった時「総理大臣になりたい」と言っていた時期がありました。そしたら中学校の先生が息子に「お前は政治家の家か?」、「政治家は世襲だからお前はなれないぞ」と言ったのです。その時私は、その総理大臣というキーワード自体が重要なのではなく、総理大臣が指す意味としての「日本に関わりたい」や「赤い絨毯が好き」など、自分を発見するために大切なことの方が重要だと知っていました。だからこそ息子に、その言葉を忘れるべきではないと伝えました。
子供達は自分を信じたほうがいいです。大人はあてにならないと伝えたいです。
自分の好きなことをちゃんとして、周りの人もそれを認めてあげることですね。

そして私がもし、今学校を選べと言われたら、やっぱり海外に行きたいですね。デンマークの教育なんかを受けていたらすごかったと思います。これからの未来を選択していく上では、順序通りの思考停止システムではいけないのです。
組織が健全に元気になっていく時に、まず現状、何処から第1ステップとして考え直すかというと「自分のコアは何処か」「自分はどんな価値観を持っていて、強みがあるのか」から考え直すことです。
でも本当は、保育園や幼稚園の頃から丁寧に自分がやりたいことに沿って、探求していくことをサポートするような教育があったら、大人になってそんなことをやらなくても良いのです。

今幼稚園児に、シチズンシップ教育とシステム思考教育を始めていますが、
「子供の頃の人間は、すべてを知っている」ような感じがするのです。自分のことも知っているし、余計な周囲の雑念がないので素直に自分を出せるし、人と仲良く生きたいと思っているし、平和を望んでいると。
「本当はこうしたい」という願いが元々あるのだなぁと感じています。結局大人になっていく内にみんな捨てていくんです。そしてそれを大人になって再発掘する非生産的な作業は非常に勿体ないし、今の子供達は自分の選んだ道を世の中的にどう見られるかに関係なく、自分の一番良いと思った方向にいくべきです。
社会にどう思われるかは全く関係ないんです。色々なラベルを世の中は貼りますが、それで自分を失っていくと自己肯定感は下がるばかりです。自分の心が言っていることを大事にしないといけないですね。

京坂
今の労働環境においては「自分のコア」や「オリジナリティ」は絶対に求められますよね。

熊平
本当に、求められますね。
求められるというよりは、それを意識的に上手に使えている人は幸せに働けていると思います。
強みを自覚して働くと、自分としてもハッピーだし、社会とのリンケージの中で自分はこういう価値が発揮できるのだと自覚していれれば、両者幸せになります。
でもそれを通信簿ではないですけれども、5が4になったら「ここ4じゃん!」とその延長の、できていないことを修正するままで働いていると幸せではないと思います。本人の感覚にもよりますが。

最近でいうと、GEという会社は「リーダーとはこういうものだ」という目標に向けて人材を作り込むという、今までの伝統をやめると宣言しました。今までの時代は、プロフェッショナルな自分と個人としての自分を切り分けて生きてこられたのだけれども、現在は徐々に「全人格を使って生きる」風潮になってきています。なので、ピアノができるや絵が描けるという、今直接的に仕事に関係ない様な才能も含めて人的資産だとGEは謳っています。
これからの時代、何が必要になるかハッキリ言ってわからないので、色々あったほうがリスクヘッジができるという考え方です。
新しいリーダーに絶対に求められることは「自分を知っていること」と彼らは言っています。なぜかというと、人間は自分と似ている人を高く評価してしまい、多様性を認められなくなるからです。色々な人たちを正しく評価するためにまず、自分を知ることです。個性というものに対しての注目が昔より増していて、「同じでは困る」という話になってきているのです。

スウェーデンで、イノベーション専門集団のトップをされている方の話を聞きにいった時、人を採用する際にいわゆる知識や学力的に高い人重視ではなくて、バックグラウンドとしてどれだけ多様なスキルや経験をしていて、色々なところにネットワークがあるかを重視していました。多様性があるからこそイノベーションが生まれるという認識がそこにはありました。

京坂
今後の人間の個性について、ディスカッションやアクティブラーニングベースの形態が文部科学省含め強調されています。しかし、最近の通信制や新しいネットベースの高校では、自発的にディスカッションやグループワークの機会を「生徒から」獲得しない限り、他者との比較をできないまま、我流で突っ走ってしまう可能性があると思うのですがどうでしょうか。

熊平
私が聞いた話ですごく良いなぁと思ったのは、ネットベースの学校側がそれを実践していることです。
新しいカリキュラムを作ったりするカルチャーですね。自分たちでこれをやって、立ち上げよう!という時に学校がそれを主体としてやってくれる点ですね。

6.人生の段階と校舎としての学校
京坂
私はN高等学校などのネットベースの学校は「ベーシックインカム(BI)のある種の実験」だと思っています。
金銭、経済面は親に保証されていて、豊富なコンテンツも揃っています。だからこそN高校生が今後どういう活動をしていくのか、その中で生じるであろう問題もベーシックインカム/BI以前で検証できる面白さはあるのかなぁと思います。
しかし一方で、自主的な活動を行わずに、とりあえず在籍だけをしている人達も数多くいると思いますが。

熊平
色々な人達がいて、それでも「学校を卒業する事が当面の目標」と考える人もいると思いますし、それも全く構わないと思います。それも1つの個性で、人生にもそれぞれの段階があると思います。

私は以前、「学校は校舎として必要なのか」「集まること自体は必要か」という事を深く考えたことがあって、世の中では「学校なんか行かなくていい」や「今の時代なんでも自由に学べる」と言われていますが、今の時点での私の考えでは、幼稚園・保育園から中学校までは「学校に行くという選択」はできるだけするべきだと思います。なぜかというと、自分の頭で考えるだけではなくて、違う意見や思想を持っている人達とディスカッションをして一緒に未来を作ろうという空間的なものは重要だと考えるからです。
その後の高校生くらいになってくると、世界を変えられるという感覚を持てる時期だと私たちは思っていますし、彼らに校舎の有無は関係なくなると考えます。
しかしやはり、一般的に学校という空間は「保育園幼稚園〜中学校」までは非常に大切だと思います。

7.システムからのリベンジ
京坂

私は人に否定されても、自分の研究活動は絶対に行いたいと思っていますし、人が嫌がる事をやるからこそ価値があると思っています。しかし、心から熱意がない人や決心できていない人達は縛りがゆるく、結局は結果として成果物があまり生まれない気がしています。

熊平
私はそれは大丈夫だと思います。

やりたい事を本当にやっていった時に、やっぱり「システム側からのリベンジ」があり、必ずフィードバックがあって、それらによって鍛えられていくと思います。
自分のやりたい事をして、フィードバックを得るからこその反骨精神も生まれると思いますし、そのリベンジが生まれるところまでできるかどうかが大切だと思います。「誰かが何かを言うことに対して反応する」という構図になると精神的に弱く可能性はありますが、本当に自分が決めないといけない状態になると、自己責任が発生するので、そこで否が応でも成長しないといけなくなります。
OECDの調査でも出ていますが、人の脳の発達のグラフを見ると、小学校の6年生程度までで「自分で考えて物事を遂行する力」はほぼ大人と変わらないという結果にもなっています。

8.保護者の学び直しを
京坂

経済的な主導権は保護者や親権者に大半があるので、そういった面で保護者の学び直しも大切ですよね。

熊平
もっと学び直しを加速させることはできますね。
1つは教育ビジョンの話で、どう子供達が育っていくことが子供達の未来にとって幸せなのか、を大人達が学ぶべきです。
21世紀を生き抜くために必須な力を「reflection/リフレクション」と言っていますが、親自身が何を考えて何を感じて子供と接しているのかをもう一度見直さないといけないですね。子供のためと言っていますが、ほとんどが自分の安心のためだと思いますし、それをやめないと良い子には育たないと思います。

親御さん、先生、一般の大人という色々なレイヤー(層)があります。
そこの価値観がどういう風にメタに変化するとして、変化の理論として「トランジションセオリー/transition theory」というものがイギリス発祥であります。要は変化が起きている時はこういうことだよね、というものを研究した理論です。
簡単にいうと、レイヤーレベルとしてニッチなレベルとレジーム(システムに関わる)レベル、ランドスケープ(世論的)レベルがあります。ニッチで小さいけれども先進的な動きが数多く起き、それらが相互に影響してレジーム(法律、経済システム、文化)を動かします。そして世論がレジームをサポートします。
こういった理論を何となくでも頭の中に入れておくだけで、自分の立ち位置、役割を理解することができます。変化が起きる時のフレームと、自分の役割で変化させようとする人たちが意図的に共同し、認識することで、変化のスピードがより加速します。昨今の学校教育でいうとN高が出てきたり、世論もサポートし始めていて、学校も変わらざるを得ない状況になってきています。未来教育会議からもティーチャーズイニシアティブという、先生の支援も立ち上がったりしています。

そして「経済と教育は双子だ」ということに私たちは気づきました。
教育も遅れていますが、経済も大きく遅れていて、経産省も今、教育のことを勢いよくやろうとしています。
経済が変わって会社も変わると親も「あれ?会社(社会)が変わった?」と気づき始めるようにもなると思います。

9.未来を自分たちで作っていこう
京坂

今の中高生年代に伝えたいことがあれば、聞かせて頂きたいです。

熊平
自分を真ん中にして生きて欲しいですね。
「自己中心的であれ」ということではなくて、自分というものを信じたり、自分は何を大切にしているのかを感じながら、周りと関わって欲しいです。

自分が何に関心があって、自分が大切にしていることをちゃんと見つけることです。
使い古された言葉ですが、「正解を求めるな」ということです。色々な枠に当てはめてくる人達がいますが、正解は自分たちで作っていって欲しいです。

未来はどうなるかわからないけれど、未来は作れるものである。
自分たちは何を作りたいのかを思い、それが言葉になって、その言葉が人の耳に入り、それが連鎖してビジョンになっていくので、それを叫んでいって欲しいし、それを信じて欲しいです。
日本では30年間残念ながらそれを、大人が行なってきませんでした。

難しい問題を解決するときには、負の感情で動くとほぼ何事もうまくいきません。
自分を知るという観点で言うと、ネガティブな感情は大切で、その感情に見舞われたということは理想と違う環境がそこにはあると言うことを気づけたのです。だからこそそこで理想を定義して、自分が何を作りたいのかをはっきりさせていくことです。目の前に現れたものが「こうであったらいいな」と考えて、そういった改善のメカニズムを皆が持っていけば、社会に貢献できると思います。

熊平美香代表 プロフィール

未来教育会議→ http://miraikk.jp/ 熊平美香代表 公式サイト→ https://www.a-kumahira.com/
未来教育会議 実行委員会代表、一般財団法人クマヒラセキュリティ財団 代表理事、
一般社団法人21世紀学び研究所 代表理事、株式会社エイテッククマヒラ 代表取締役、昭和女子大学ダイバーシティ推進機構キャリアカレッジ 学院長、経済産業省未来の教室とEdTech研究会委員、ハーバードビジネススクール・グローバルアドバイザリーボード メンバー、アショカジャパン アドバイザー、青山ビジネススクール 評議委員会委員、青山ビジネススクール 講師、ABEST 21 委員、デジタルフォレンジック研究会 監査、Learning for All 理事、わかりやすいプロジェクト 事務局長、AMBITIONERS’ LAB 共同代表、国立大学法人 評価委員会委員、放送大学学園 評価委員会委員

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