SDGs-1、貧困をなくそう【連載|高校生が現代を考える#6】

持続可能な社会、地球を未来に残すための目標を定めたSDGs。この連載では、17回にわたってその17の目標をひとつひとつ読み解き、向き合っていきたいと思います。現代人によって生み出された多くの問題を解決する責任は皆にあります。是非、当事者の一人として、自分にできることを考えつつ読んでいただけたらと思います。

第一回となる今回は、SDGsの一つ目の目標である、「No Poverty」「貧困をなくそう」です。地域社会で見ても、日本全体で見ても色濃く残っている問題の一つ、「貧困」ですが、国内にとどまらず世界に目を向けても「貧困」という問題は散見されます。貧困により十分な教育を受けられない子どもたちもいれば、明日をつなぐために必死になっている人も多くいるのが現状です。もちろん、多くの国際機関や支援団体が尽力し、日に日に状況は解決されているのですが、やはり、先進国と途上国で比べてもまだまだ格差は大きいです。

意志と現実

コロナウイルス渦中で、世界中の多くの国が休校措置という決断を下しました。日本国内でも、十分な教育の機会が奪われるのではないかと心配する声が多く聞かれましたが、現代の産物であるインターネット等を駆使して様々な対策が打たれていました。現在、高校二年生である僕の通う学校でも、Microsoft Teamsや、Zoomなどといったオンラインサービスを利用した授業が展開され、学校とほぼ変わらないような学習が出来たと思います。もちろん、オンライン授業では様々な課題も残っていますが、今回の記事の主題である「貧困」とは無関係なのでここでは省略します。

日本と同様に、世界各国でも休校措置のための対策としてオンライン授業が行なわれています。しかし、貧困層はそもそもオンラインに接続するための機器を持っていないために十分な教育を受けられない、という事例がたくさんあります。ブラジルでは、オンライン授業への不平等なアクセス機会という問題を解消するために、NGO団体「Todos Pela Educação」が支援をし、その活動を世界銀行がバックアップしています。また、インドでも60%ともいわれる貧困層がオンライン授業を受けられないといわれており、それを悲観した少女が焼身自殺するという事例まで起きています。

この自ら命を絶ってしまった少女ですが、オンライン授業の配信が生配信ではなくストリーミング配信であり、友人にデジタルデバイスを借りることで視聴できるというシステム上の都合を知らなかったと報道されています。ただ、こうしてデジタル機器の利用の有無が、サービスの仕組みに関する知識量に大きな差をつけているのが現状です。教育を受けるとこは、将来の収入を増大させることに繋がることが多く、貧困層の子どもたちが教育を受けられないことは将来の格差拡大につながるのではないかと懸念されます。

経済的な支援

国際連合児童基金(UNICEF)は、長年、貧困に苦しむ世界中の子どもたちを支援する活動を行なっています。ユニセフはじめ、様々な国際団体の懸命な活動により、脅威にさらされている子どもたちにワクチンを届けたり、安全な水を届けたりすることができています。そして、その活動のおおもとは、私たちの募金などです。俯瞰的に見て、先進国の支援が途上国に届くことで、危険と隣り合わせの生活を送っている子どもたちの命を救うことが出来ています。

しかし、本当に貧困から抜け出せたといえるのは、彼らが自分たちで経済を回せるようになってからでしょう。いつまでもいつまでも先進国から回ってきたお金に頼って生活していくわけにはいきません。でも、よく考えてみてください。教育を受けたくても受けられないような生活を送っている彼らには、教育を受けたいという強い気持ちがあり、また教育を受けられないという苦しみも知っています。彼らが自立できるのかは、環境が整備されるか否かという時間の問題なのです。

ただし、強い意志に満ち満ちた彼らも数世代後になれば、教育を受けることは当たり前になってしまい、教育を受ける喜びも意欲も相対的に減っていくのでしょう。ちょうど、いま日本に住んでいる私たちと同じように。

今の日本の若者は、やはり、学習することに意義を見出せない、もしくは面白みを感じられないという状態に陥っています。これは、単に僕の実感ですが、そのような傾向にあると思われます。無論、今は貧困状態に置かれている人々も、その十分な教育を受けられない苦しみを感じなくて済むまでに社会が改善されれば今の日本と同じような傾向になっていくでしょう。途上国への支援は今後も間違いなく続くでしょうから、貧困問題は日々改善され、多くの人々が豊かな生活を手に入れることができるようになると思います。しかし、そんな中で私たちが向き合っていかなければならないのは、十分な生活、権利を手に入れた後のことなのかもしれません。もちろん、そこには「心の貧困」という新たな問題が発生してくるのではないかと危惧しています。

今回は、貧困問題の代表的な例である「教育」と結びつけて考えてきました。そのような中で、SDGsの作成者の意図とは違うであろう、新たな問題提起を行なってみました。もちろん、僕の勝手な拡大解釈に過ぎないでしょうが、絶対に発生する問題だと思います。目の前の問題を通り越して、先の問題に目を向けるのは間違っているかもしれませんが、日本という視点で見るともう発生している問題なのかもしれません。繰り返しますが、読んだあなたも当事者です。持続可能な社会を残すため、この問題と向き合い、あなたにできることを考えてみてください。

(文責:NGT @ngt_nanoka)

表紙画像引用:https://sdgs.edutown.jp/info/goals/goals-1.html

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miyabi_kyosaka
教育実践キュレーター。慶應義塾大学在学中。NPO法人日本教育再興連盟ROJE所属。読売新聞学生記者。日本若者協議会所属。某 AO入試専門塾講師。N高等学校出身。|「未来は予測するのものではなく、この手で創る」をモットーに圧倒的行動で教育を一新しようと、教育ジャーナリズムの活動をしております。