SDGs-7、エネルギーをみんなに、そしてクリーンに【連載|高校生が現代を考える#13】

 持続可能な社会、地球を未来に残すための目標を定めたSDGs。この連載では、17回にわたってその17の目標をひとつひとつ読み解き、向き合っていきたいと思います。現代人によって生み出された多くの問題を解決する責任は全ての人にあります。未来の世代に少しでもよい地球を残すため、ぜひ、当事者の一人として、自分にできることを考えつつ読んでいただけたらと思います。


SDGs-17 Goals 連載一覧

SDGs-1、貧困をなくそう【連載|高校生が現代を考える #6】

SDGs-2、飢餓をゼロに【連載|高校生が現代を考える #7】

SDGs-3、全ての人に健康と福祉を【連載|高校生が現代を考える #8】

SDGs-4-1、質の高い教育をみんなに【連載|高校生が現代を考える #9】

SDGs-4-2、質の高い教育をみんなに【連載|高校生が現代を考える #10】

SDGs-5、ジェンダー平等を実現しよう【連載|高校生が現代を考える#11】


 さて、今回のテーマはSDGsの7番目の目標である「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」について論じていきたいと思います。家庭でも、学校でも、オフィスでも至る所に電化製品があふれています。今となっては、僕たちの生活は電気とは切っても切れない関係になってしまいました。しかし、その電気を使用するためには、石油を燃やしたり、核のエネルギーを利用したりといったところに頼っているのが、目を背けられない現状です。再生可能エネルギーに注目が集まりつつありますが、発電効率が火力発電や原子力発電に比べて相対的に悪く、また、発電可能な条件が細かいためにまだまだ普及しているとはいえません。

 ただ、地球温暖化というグローバルな環境問題を解決しなければ、年々自然災害が強靭なものになっている現状を打開することはできません。すでに、電気とは切れない仲になってしまったからこそ、エネルギーを有効に活用していく方法を画策していかなければならないと思います。

地球温暖化の影響はどれほどか

 日本では、原子力発電に強い規制がかかってしまっているために、今現在の発電方式は火力発電が主流です。しかし、火力発電では、石油、石炭、液化天然ガスなどの化石燃料を燃やす必要があり、必然的に環境に悪影響を与えてしまいます。化石燃料を燃やすことで二酸化炭素が大量に排出されるために、地球温暖化が促進されてしまうのです。

 地球温暖化という言葉だけがひとり歩きしてしまっているような現状であり、今年の夏が暑いのは地球温暖化のせいだという声がよく巷で聞かれます。暑い夏を乗り切るために我々は電気エネルギーの恩恵を授かり、エアコンを使用しますが、それがより一層地球温暖化を促進させるという負の悪循環が発生してしまっています。ただ、地球温暖化の影響はただ暑いことだけにとどまりません。

 地球温暖化の影響で、海水面の温度が上昇しているといわれています。これによって、雨雲がより強力なものに成長してしまっているようなのです。今年、8月の終わりから9月の始めにかけて台風9号が沖縄を通過し、九州の西側を通過しました。幸いなことに、被害はそれほど大きいものにはならなかったのですが、この台風9号は発生した当初から、最大瞬間風速が70km/hほどまで成長すると指摘されていました。マスコミ等では、アメリカの大統領選挙に加え安倍首相の辞任が重なり、それどころではなかったでしょうが、もしこれほどの威力にまで台風が成長し、もし日本に直撃していたらと考えればとても恐ろしいことです。

 将来的に、日本周辺で最大瞬間風速が90km/hほどにもなる台風が来るのではないかと予想されています。これは、街がまるごと吹き飛びかねないほどの威力です。ゆえに、もっと迅速な地球温暖化対策が必要なのですが、日本は化石賞などという不名誉な表彰を受け、国際的には環境問題対策に消極的だと評価されているのです。批評はたくさんあるにせよ、日本はGDPが世界第3位の経済大国なのだから、もっと国際社会において責任のある行動が求められているのではないでしょうか。

再生可能エネルギーの普及

 冒頭にも挙げたように、エネルギーをもっとクリーンに利用するための一つのカギとなるのは再生可能エネルギーをいかに有効に利用できるかにあると思います。最近では、海岸や山地などに風力発電の大きなプロペラがあったり、民家の屋根に太陽光発電パネルがあったりする光景をよく見ます。同じような光景ではありますが、何もなかった空き地に大量の太陽光発電パネルが並べられているのを見たことはないでしょうか?

 僕は、そのようにしてまで太陽光発電をする意義が見出だせません。たしかに発電量自体は増加するでしょうが、太陽光発電はもともとそれほど安定的とは言い難いシステムです。土地に、整然と太陽光発電パネルを並べるのではなく、もっと多くの屋根に太陽光発電パネルを設置しようとする道を模索した方が合理的ではないでしょうか。

 このように、エネルギー利用で見たときは有効かもしれませんが、この世の中はそのように単純に捉えることのできないくらい複雑ですので、諸問題を考慮したうえでもっとも有効な解決法を模索していかなければならないと思います。

効率的なエネルギー供給を目指して

 もう数年前になりますが、現ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏が描いたスーパーグリッド構想が話題となりました。これは、強い風が比較的安定して吹き続けているモンゴルのゴビ砂漠で大規模な風力発電を行ない、モンゴル国内、ひいては日本までその電気を送電しようという構想です。

 まだ実現にはいたっていませんが、孫正義氏はエネルギー供給にも大きな関心を寄せているようで、関連して様々なビジネスを展開しておられます。このスーパーグリッド構想について考察してみると、モンゴルから日本へと電気を送る際に、やはり相当量のエネルギー損失が発生してしまうことが大きな課題であります。この課題を解決することができれば、スーパーグリッド構想が進展するだけでなく、世界各地の送電網にも活用でき、世界的にエネルギー利用が効率化できるという期待が寄せられます。

 しかし、人々の大部分はそのような大きなビジネスにすぐさま取り組めるわけではありません。この連載では、繰り返しになりますが、もっと大衆的な、取り組みやすい課題解決法を模索してきました。エネルギーを使用する場面は生活の中に溢れており、以前より身近な存在でした。ただ、近年では太陽光発電が普及しており、エネルギーを生産する部門も僕らにとって身近な存在になりつつあります。また、東日本大震災での福島第一原子力発電所の事故によって、国としてどのような方法で電気を供給するかという問題は一般の人々の間でも大きな議論になり、国民が発電のあり方を考える機会が生まれました。

 先ほどの孫正義氏のスーパーグリッド構想ですが、これはゴビ砂漠に吹き続ける風をどうにかうまく活用できないかと考えた結果生み出されたアイデアなのだと思います。まだ、すべての家に太陽光発電パネルが設置されていない以上、その屋根をどうにか活用できないかと考えれば自ずと次の一手は見えてくるのではないでしょうか。

 再生可能エネルギーを活用した発電は、風力発電や太陽光発電のみならず、水力発電、地熱発電など色々とありますが、いずれも世の中にあるエネルギーを無駄なく活用しようとしている発電方法ばかりです。火力発電のように、わざわざ発電のために化石燃料を燃やしてなんかいないわけです。ともすれば、僕らの生活の周りにも発電に活用できるエネルギーがあるかもしれませんし、それ以上に使わなくてもよい浪費したエネルギーがあるはずです。

 マクロな視点で考えれば、政府や大企業が主体となって取り組まなければならない課題かもしれませんが、もっとミクロな視点でもエネルギー生産、エネルギー消費を効率化させる方法はたくさんあります。

 例を挙げるときりがありませんし、すでに世の中で様々な呼びかけがなされていますが、僕たちに出来る取り組みの中で一番見落とされがちなのは移動だと思います。特に近距離の移動でもマイカーを使う人が、特に地方では多いのではないかと思います。高齢者の多い地域では、確かに自分の車を使った方がはるかに便利で快適かもしれませんが、徒歩や自転車での移動を使えば、環境にやさしいだけでなく、個人の健康増進にも繋がります。

 また、地方に限らずとも、近年では新しいビジネスの形態として、シェアリングエコノミーが活発になってきています。シェアリングエコノミーのサービスでは、世の中にある最大限に活用されていないものの効率的な運用がなされています。特に、都市部ではシステムの整備がほぼ完成されているので、積極的にそのようなサービスを利用するのも良い取り組みかもしれません。

 大事なのは、もっと僕たちが生活の中でエネルギーを大切に使おうと思うことではないでしょうか。浪費が積み重なれば、もっと地球温暖化をはじめとする環境問題は悪化しますが、多くの人のちょっとした工夫が積み重なれば効率的なエネルギー使用が実現するのです。みなさんも、今日から、無駄のないエネルギー使用を目指してみてはいかがでしょうか。

(文責:NGT @ngt_nanoka)

画像引用元:
外務省『持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組』PDFより
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_pamphlet.pdf

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miyabi_kyosaka
教育実践キュレーター。慶應義塾大学在学中。NPO法人日本教育再興連盟ROJE所属。読売新聞学生記者。日本若者協議会所属。某 AO入試専門塾講師。N高等学校出身。|「未来は予測するのものではなく、この手で創る」をモットーに圧倒的行動で教育を一新しようと、教育ジャーナリズムの活動をしております。