『コロナ時代の子育てで本当に大切なこと』探究学舎(5/29) YouTube Live サマリーまとめ

『コロナ時代の子育てで本当に大切なこと』探究学舎(5/29) YouTube Live まとめ(サマリー)

 先日、探究学舎さんが主催するYouTube大保護者会『コロナ時代の子育てで本当に大切なこと』が放映されたので、講演会全体の概要パネリストの方々の主張を簡単なサマリーにまとめました。


概要

 長い自粛生活の中で、普段とは異なる状況下の中で子どもとどのように向き合えばいいのか、休校中の子育てに頭を悩まされた方も多いと思います。 今回は、そんなコロナ状況下において、教育業界にて革新的なサービスや学習体験(Learning Experience)を追求する5人の経営者が、いま子育てで本当に大切なことを語ります。 

■登壇者
・花まる学習会 高濱 正伸 さん
・探究学舎 宝槻 泰伸さん
・ライフイズテック 讃井 康智 さん
・知窓学舎 矢萩 邦彦 さん
・ロボ団 重見 彰則 さん

■会社情報
・花まる学習会 http://www.hanamarugroup.jp/hanamaru/
・探究学舎
https://tanqgakusha.jp/
・ライフイズテック https://life-is-tech.com/
・知窓学舎
http://www.chisou-gakusha.jp/
・ロボ団
https://robo-done.com/

(探究学舎YouTube概要欄より抜粋)

TOPIC 1 親の子育て感はどう変わった?

高濱:前提として、家にずっといて夫婦同士に亀裂が入っている場合もあると思うが、ユニットとなる家族が上手くいかないと何事も上手くいかない。共働きを前提に、お母さんが毎日ニコニコ輝いている姿を見せることが大切。家に帰った時にお母さんが「おかえり」と笑顔で言ってくれれば、あらゆる傷は癒える。しかし、コロナによってその部分が酷く傷んでいる。日頃から言い合える関係性を築いてきた夫婦は今も結束できているが、そうではない家庭は殺伐としてしまっている。結論、お母さんがどうすれば「安心」できるかに、本人も周りも集中すべき。そしてコロナに関しても、最悪の事態に備えることが大人の見識として重要で、多くの人と繋がって安心感を得ることも大切。無人島に放り込まれて「ここでやるしかない」という気持ちで、長期化することを前提に準備しておこう。

TOPIC 2 オンライン化に取り組んで見えたこと

各団体のオンライン学習(本編では映像が放映される)

探究学舎:Zoomで大人数授業を行う。子どもたちとのインタラクティブ性を担保。

Life is Tech!:画面の前でメンターがプロジェクター映像と共に指導。

花まる学習会:学習を「花まるタイム(成果報告会)」で共有。クラス共同作業も。

ロボ団:分かりやすいシュミレーション動画で学習の導入を行う。その後は本格化。

知窓学舎:「ニュースで考える!」という授業で、正解のない問を創発的に協働して考える。

讃井:「オンラインは楽しい」というのが非常に大切で、「楽しくないオンライン」は地獄だということが見えた。オンラインかオフラインかという二者択一はやめたほうが良い。子どもたちのLX(Learning Experience/学習体験)が一番良い状態をどう創っていくかが要諦。

高濱:学校がなぜオンライン化を推進できないのかが理解できない。玄人が一人もいない素人軍団だけでも出来る。そして、オンラインだから見えた良いことは「みんなが最前列にいること」や「コミュニケーションに壁がない子供たちはオンラインかオフラインかに関係なく盛り上がってくれること」、「花まる学習会の授業を親御さんが横で見れるので安心してもらえること」がある。授業をしっかりと見せ、意思疎通の時間を取り、子供たちを行動に持っていくことが大切。ハイブリッドが良くて、オフラインではやる気のなかった子がオンラインですごいやる気になることもある。

重見:ロボットはオンライン化出来ないと思い込んでいたが、学びを止めないことを強く意識すれば、意外とできる。教育者が勝手に限界を作らないようにしよう。オフラインもオンラインも全て、目的ではなく「手段」。子どもたちは十人十色で、教育にも一つだけの解は存在しない。オンライン化によって、オフラインだけじゃないんだという風に選択肢が増えた。

宝槻:教育者だけでなく、保護者も「オンラインでは出来ない」と思っていたが、実際は出来るということに気付いている。ジョン・デューイが云うように、教育の中心基地を教師ではなく生徒にすべき。

矢萩:2011年からインターネット上の生放送でオンラインを利用していたが、その時から「オンラインはダメ。オフラインでやろう」と考え、オンラインを拒み続けてきた。実際、オンラインでは、匿名性やペンネームを利用することで発言数が増える子どもたちが増えた。オンラインはスピード感があり、リアルでは聞こえなくて流れて行った声もコメントで拾えるというメリットがある。体が大きいだけで威圧するようなこともオンラインではなくなる。答えのない問いに対して、普段から探究的な学びをしている子どもたちは特に、考える際の「視点の数」が多い。

受験産業の塾がオンライン化を上手く推進できないのはなぜ?

矢萩:答えのある一問一答に慣れているから。講師も答えのあることをやり続けてきて、それしかやってきていないし、それに慣れている。従来型の学びを行っている先生は、自分の仕事で従来的な学びで得たものを利用しているので、従来型の学びに意義を感じてしまっているが、それは教育業界の外に出れば使えない可能性がある。さらに、大手塾は人員が多いので小回りが効かないクローズドな空間が多い。今までの一方通行型で退屈な授業をやっていては、生きる意味や学ぶ意味を生徒が見出せない。従来の、良い大学に行って良いところに就職するという社会構造が崩れた今、ごまかしが効かなくなっている。現場の先生が附に落ちていない授業を、それを受けている子どもたちが楽しく受けられるわけがない。

宝槻:今だからこそオンライン化は受け入れられ始めている。PLC(プロダクトライフサイクル)というのがあり、ガラケーの衰退期にスマートフォンが成長期を迎えるように、IT業界は塗り変わりが早いが、教育は遅い。しかしながら、受験産業でオンライン化が推進されないことがバレたり、今は歴史的な転換期である。

TOPIC 3 オンライン学習と学校 どうブレンドする?

宝槻:全部自分で組み立てるオンライン学習だけではなく、教育も欲しいという声がある。学校という程度強制性がある中で教育されるのも実はラクな部分もある。今後は子どもたちと一緒に学校を作り上げていく時代になる。選択的登校なども視野に入れるべき。自分に合うママ友を見つけながら、自分の中にあるブレンドの概念をハッキングしていこう。

高濱:子供は仲間が騒いでいるところに行きたいという欲求がある。習うことはオンラインで可能だが、「集まること」など、学校の本質を再定義することが大切。時間数など数値的な事柄ばかりではなく、結果にこだわるべき。集まることの価値に特化して学校を開くのもアリ。学校の先生一人一人には悪い人は本当にいないので、政治的マターとしてエイッと変えてしまう必要があるかもしれない。

讃井:今の子どもたちはデジタルネイティブどころか、インターネットネイティブである。大人は分からないことをすぐGoogleで調べるのに、なぜ子どもたちだけGoogleを禁止され、我慢して覚えないといけないのか。3DCGで『鬼滅の刃』の世界を作った子どもがいるように、そういう子どもたちの潜在的可能性を引き出す教育をやろう。子どもたちの未来に勝手な低い天井をつけずに、学校選びの一つの基準として「インターネットネイティブ世代の可能性を引き出そうとしているか」を考えた方が良い。

重見:学校で提供するものとオンラインで提供するものを区別すべき。家庭の中にサードプレイスを作ることも、オンラインでは可能になっている。

TOPIC 4 これからの子育てで大切なこと

宝槻:エモーショナル産業(意味のある事)、ファンクショナル産業(役に立つ事)を考える必要がある。20世紀の教育は後者を目指したが、21世紀は前者を目指すべき。

重見:小さい頃に「好きなことを深掘りさせる」ことが大切。好きなことは今すぐやらせてあげよう。大人になっても好きなことを掘り下げられる「再現性」を育む事が大事。

讃井:これからは100人が100の語りたいことを持つ時代で、自分の語りたいことを持つことが大切。自分の根源的なポテンシャルを、一つのことを探究することが大切。没頭力を横展開していこう。子どもたちは好きなことに関しては大人より雄弁に語れるので、その能力をどう引き出すかが大切。子どもたちの探究や没頭を受け入れて「良いね!」と言える大人が必要になる。

矢萩:仕事しての経歴だけがキャリアなのではなく、鉄道に何十年ハマった経験も一つの立派なキャリア。そういう風に周りの人が認めてあげることが大切。それ良いね!と周りの大人が声がけして、子どもたちの自己肯定感を育んであげることが肝要。

宝槻:独立研究家 山口周さんの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』然り、機能で差別化を図るのはもう限界で、エモーショナルな部分や美意識によって他者と差別化を図っていくことが大切。しかし、エモーショナルなこととファンクショナルなこと双方を持つ必要はない。なぜなら、チームで動けるから。子供の全てをバランシングする必要はない。

高濱:「こっちの方が安定」とか、見える道を選びたくなるのは避けられないけれども、実際は例えば、サッカー選手として一流で食べていく為には極めて突出した能力が必要。しかし、もしプロや一流を目指すのであれば、ぜひ「国語力」を鍛えておくべき。どれだけの功績を修めても、語れる力、伝える言語力がないとその本当の凄さが伝わらない。加えて、今後はSTEAM(Science・Technology・Engineering・Art・Mathematics)を鍛えていけば、幅が広いので、ほとんど食いっぱぐれることがない。

矢萩:上手く行っている人は昔も今も殆どの人に「国語力」がある。読書感想文で興味のないことについて書くことに意味はなく、興味のあることに対してこそ想像力が起動するのである。伝えたいこと、言いたいことをまず作り、その後に言葉で伝えよう。


 しばし、金言が飛び交った素晴らしいYouTube Liveイベントでした。

 この記事が少しでも親御さんや小中高生の学びに繋がれば幸いです。

(京坂 雅)

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miyabi_kyosaka
教育実践キュレーター。慶應義塾大学在学中。NPO法人日本教育再興連盟ROJE所属。読売新聞学生記者。日本若者協議会所属。某 AO入試専門塾講師。N高等学校出身。|「未来は予測するのものではなく、この手で創る」をモットーに圧倒的行動で教育を一新しようと、教育ジャーナリズムの活動をしております。